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財団法人日本ユニセフ協会
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エジプト:HIV/エイズに関するカウンセリング・検査センターがオープン

【2005年10月18日 カイロ発】

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©UNICEF video

多くのエジプト人にとって、エイズとは、他の国の人々が心配する病気です。病気は既に世界中で数百万の命を奪っていますが、少なくとも、エジプトにおけるエイズの影響は小さいものとみられていました。

国連エイズ合同計画(UNAIDS)の公式な統計によると、2003年のエジプトにおける推計されたHIVの流行は、15歳から49歳の国民の0.1パーセント以下でした。

HIVと共に生きる大人と子どもの数は、約7,000万人の国民のうち1万2,000人でした。統計は、早急な対応が取られなければ、状況が悪化するのではないかという危惧を引き起こしています。

問題の一つには、匿名でのエイズ検査の不足があげられます。エジプト政府は、国中に無料カウンセリング・検査センター(Voluntary Counseling and testing Centers: VCTCs)を開くことで、この問題に取り組み始めました。匿名という約束によって、商業的性労働従事者・静脈注射薬物使用者・男性同士の性交者などの、感染リスクにおかれている人々が、検査に行くよう奨励できる環境づくりが望まれています。

カウンセリングの必要性

アリ・アブド・エルサタ・ゴマ博士(保健人口省ウイルス局長)によると、検査を受けた個人についての情報が一切漏洩されないという保障は、エイズへの偏見が非常に強い地域において、必要不可欠なのです。

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©UNICEF video

「ここでの出来事は全て秘密です。」とゴマ博士は話しています。「誰かが検査にきたとき、その人はシークレット・コード(検査の経過を追うために使われるコード)でやりとりをします。テストは無償で秘密であり、一切の情報が他人や他の機関に漏れることはありません。」

この新しいセンターで提供されているもう一つの主要なサービスは、血液検査に先立って提供されるカウンセリングです。

ハラ・エスマット博士(中央カイロVCTCのカウンセラー)は、エジプト人のHIV/エイズの感染への誤った認識が大きな問題一つであり、HIV/エイズに関する適切な情報を人々に提供することが必要と指摘しています。

エスマット博士は、「食事・飲料・唾液などを通じてHIV/エイズに感染することがあると多くの人々が考えている。そしてHIV/エイズが彼らの子どもに感染することを恐れている。だから私たちは、検査を始める前に、これらの誤った認識を正しています。」と話しています。

これからの課題

新しい検査センターは、エイズの脅威に対する政府の態度が変わってきたという、良い兆候の一つです。社会によって担われる役割の増加(HIV/エイズと共に生きる人たちのための支援グループの立ち上げ等)やNGOの数の増加の必要性が今後問われています。

HIV/エイズについて、政府関係者・メディア関係者の意識は目にみえて向上しています。

しかし主要な課題が残っていることも明らかです。国連エイズ合同計画によると、啓発活動、感染予防問題、難民やストリート・チルドレングループの問題は効率的に施策に取り組まれている。しかし、HIV/エイズと共に生きる人々は、彼らの状況によって引き起こされた感染のための、網羅的な治療へのアクセス手段が無いという現実と向きあっているのです。

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