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財団法人日本ユニセフ協会

UNITE FOR CHILDREN UNITE FOR PEACE

トラオレ・アジズ(13歳)
戦争の傷を癒してくれるサッカー〈コートジボワール〉

トラオレ・アジズ(13歳)は10歳のときに両親を失いました
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3年前、トラオレ・アジズはすべてを失いました。両親までもです。当時10歳だった彼は、コートジボワールで続く内戦のさなかに一人になりました。そのあとは日々生きることに精一杯で、一番好きだったサッカーもできなくなりました。

「内戦が起こる前は、いつもサッカーをしていたんだけれど、内戦が始まってからは、サッカーもできなくなってしまったんだ」

2002年の終わりから、トラオレの住んでいるコートジボワールの北部地域は、反政府勢力によって支配されるようになりました。2003年、コートジボワール政府と反政府勢力との間で平和協定が結ばれましたが、散発的な武力衝突はいまも続いています。

生きるため、食べ物を求めて、トラオレは反政府勢力の宿営地に助けを求めました。「内戦のあいだ、宿営地に行くと、兵士たちから雑用を言われて、ぼくが必要なものを買ってくると、かわりに食べ物をくれたんだ」

昨年、コートジボワールのユニセフ事務所の交渉を通して、トラオレやそのほか大勢の子どもたちが解放され、ユニセフが支援する教育・運動プログラムの実施されているセンターへと連れてこられたのです。

現在13歳になったトラオレは姉との再会を果たし、姉にめんどうを見てもらっています。

サッカーとの再会

ユニセフが支援する教育・運動プログラムを通して、トラオレはサッカーへの情熱をとりもどしました

最近になって、反政府勢力と政府との緊迫した状況はおさまってきており、この地域にも新しい希望が芽生えてきています。トラオレのサッカーへの情熱もよみがえってきました。両親を失った悲しみは変わりませんが、将来、コートジボワールのサッカーの星、デディエ・ドログバのように、プロのサッカー選手になりたいと思えるようになりました。

「ユニセフのセンターに来て、読み書きを学んで、サッカーをするようになってから、ぼくの生活は変わったよ。本当に大きく変わった」彼はそう言います。

ユニセフの推定では、コートジボワールの内戦で深刻な影響を受けた子どもは3万人以上にのぼります。トラオレにとって、サッカーは闘いの恐怖から逃れるための手段となったのです。彼と同じ年齢の子どもたち、彼の友達の多くは、子どもの兵士となっています。

トラオレはまだ社会復帰の途中にいますが、サッカーができるようになったことは大きな意味があると言います。サッカーは、内戦で傷つけられた子ども時代を後にして、先へ進むいい機会となっているのです。

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