公益財団法人日本ユニセフ協会
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アフリカ干ばつ緊急募金 第49報
サヘル地域の食糧危機を食い止めるために

【2012年2月24日 ニューヨーク発】

© UNICEF/NYHQ2012-0046/Asselin
ユニセフが支援するチャドにある治療用の食事センターで、急性栄養不良の子どものそばに寄り添う女性たち。

1年もたたないうちにアフリカを襲っている2度目の食糧危機を食い止めるべく、ユニセフは全力で支援活動を進めています。

昨年、干ばつと政情不安によって、救命支援が必要な1,000万人以上もの人々を生み出したアフリカの角地域に、世界中の注目が集まりました。現在、サハラ砂漠の南部に位置する西アフリカのサヘル地域で、影響を受ける人の数は下回るものの、同じような危機が現れつつあります。

サヘル地域では、致死的状態に陥る可能性のある深刻な急性栄養不良により、2012年には100万人以上の5歳未満児が緊急支援を必要とすることになることが想定されています。

「大切なことは、栄養不良が子どもの死亡原因になるという点を、しっかり理解することです。100万人もの子どもたちが危機的状況に置かれているなかで、私たちは早急かつ断固として、子どもたちへの支援を実施していく必要があります。」ユニセフの西部・中部アフリカ地域事務所のデヴィッド・グレスリー部長はこう話しました。

警鐘を鳴らす

© UNICEF/NYHQ2011-2207/Esteve
ユニセフの倉庫で、調理せずに食べられる子ども向けの栄養補助食品の発送を準備するスタッフ (チャドのンジャメナ市内で)

昨年、西アフリカの8ヵ国にまたがるサヘルの多くの地域で、深刻な雨不足が干ばつを引き起こし、こうした状況に警鐘が鳴らされ始めました。最も深刻な被害を受けたのは、ニジェールです。同国では、33万1,000人近い5歳未満児が、すでに深刻な急性栄養不良に苦しんでいます。

ユニセフは、パートナー団体と共に、この影響を受けている国々で様々な支援を展開しています。栄養補助食品の輸送から追加のスタッフの派遣、栄養不良ですでに衰弱している子どもたちがマラリアやコレラにかかって命を落とさないための安全な飲料水の提供まで、内容は多岐にわたります。

グレスリー部長は、続けます。「この危機をどう未然に防ぐのかが鍵です。今の初期段階で、私たちにできる準備を完了させ、支援活動を進行しています」。

さらなる試練

リビアの政治的な危機が、サヘル地域にさらなる追い討ちをかけています。マリ、モーリトアニア、ニジェールといった国々で暴力や武装勢力への徴用が増加。多くの移住者が帰国を余儀なくされています。

「政情不安により、人々が避難を強いられ、難民移動が引き起こされています。このために、サヘル地域に第2の危機が生じはじめ、事態は非常に複雑な状況です。今こそ、支援が求められています。」(グレスリー部長)