財団法人日本ユニセフ協会




ユニセフはイラクの子どもたちを救うため、
1億6,600万米ドルを求める

【ジュネーブ/ニューヨーク発 2003年3月28日】

 ユニセフは、イラク国内にまだ200人以上のスタッフを残して緊急支援活動を続けている中、戦争の被害を最も受けやすい子どもと女性に対する人道支援のために、1億6,600万米ドルが必要になると発表しました。

 このユニセフの発表は、本日国連が提出する予定の人道アピールの一部です。このアピールによると、今後6ヶ月間のイラクにおける人道支援のために、合計21億米ドルが必要になります。

 ユニセフは、食糧援助以外の分野において、イラクに対する支援の主導的な役割を担う国連機関です。ユニセフによる緊急支援が必要とされるのは、次のような分野です。

  • 命に関わる病気から子どもたちを守るための緊急予防接種
  • 栄養不良の子どもたちや妊産婦への栄養補助食の提供
  • きれいで、安全な水の供給と基礎衛生施設の提供
  • 保健施設への医薬品や医療設備の提供
  • 心理的外傷を受けた子どもたちのケア
  • 孤児や障害児の保護
  • 子どもたちをできるだけ早く学校へ戻す

 「イラクにおける人道危機が高まっています」と、キャロル・ベラミー ユニセフ事務局長は言います。「今後数週間の間に、支援の必要性が増大するでしょう。今行動しなければならないため、私たちはこのアピールを出すのです。あまり長くは待っていられません。」

 支援を求めるアピールが出される中、ユニセフはタンカーとトラックでイラク南部の都市にきれいな水を届ける支援活動を行っています。イラク南部では、100万人以上の人々が安全な水がないまま生活をしていると考えられます。

 ベラミー事務局長は、ユニセフは経験豊富で献身的な国内スタッフの手で、イラクにおける緊急援助活動を継続していると述べています。ここ数日、ユニセフは、イラク北部で はしかの予防接種を行い、現地の病院を訪れました。また、バグダッドやその周辺地域では、孤児や障害児に食糧と医薬品を配りました。

 ユニセフによると、12年間に及ぶ国連による経済制裁と、ここ20年間で3回目となる戦争の結果、イラクの子どもと女性は大規模な軍事紛争の影響に耐えることができないと言います。「保健、栄養、水と衛生、基礎教育分野の迅速な人道援助がなければ、幼児と子どもの死亡率が急激に増加する可能性がある」と、ベラミー事務局長は言います。

 イラクの人口の半分が18歳未満の子どもです。

 ユニセフによると、戦争が始まる前から、イラクは子どもの死亡率が世界で最も高い国のひとつで、子どもの8人に1人が5歳になる前に命を落としています。5歳未満の子ども100万人以上が慢性的な栄養不良に苦しみ、さらに130万人が栄養不良になる恐れがあります。

 支援物資をできるだけ迅速かつ効果的に届けるために、ユニセフは子どもに対する緊急支援活動を行う他の多くの機関を調整する役割を担っています。これらの機関には、WHO(世界保健機構)、ICRC(赤十字国際委員会)、赤新月社、CARE、Oxfam、ノルウェー難民評議会ほか、イラクのボランティア組織などを含みます。

 「イラクにおける私たちの緊急支援活動は、これまでユニセフが実施してきた支援活動の中でも、最大かつ最も複雑なものになるかも知れません」ベラミー事務局長は言います。

 こうした課題に応えるため、ユニセフは緊急事態に迅速に対応できるよう、これまで大規模な準備をすすめてきました。既に、1,400万米ドル以上の緊急支援物資と設備が準備され、近隣国との国境に沿って物資供給のハブが建設されています。ユニセフは、スタッフ、広報、支援物資を確保するため、ヨルダン、シリア、トルコ、イラン、クウェートで新しく緊急支援のための事務所を開設しました。

 ユニセフは、募金など任意の拠出金のみで運営される非営利の人道機関として、イラクの子どもと女性に対してできる限り支援を行う責任があります。

 「このアピールは、イラク復興についてのものではありません」と、ベラミー事務局長は言います。「これは、今、そしてこの先数週間、子どもたちの命を救うためのものです。イラクは15年以上も危機にあります。人々には頼るものが何もありません。大きな戦争が人々を巻き込んでいる。これが事実です。不必要な死と苦しみを防ぐため、そして、イラクの子どもたちに希望を届けるために、私たちは今行動しなければなりません。それがこのアピールの意味するところです」

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募金のお願い

 財団法人日本ユニセフ協会では、今後さらに必要とされるイラクの子どもたちへのユニセフの人道支援活動を支えるため、イラク緊急募金の受付を開始いたしました。多くの皆様のご支援をお願い申し上げます。