財団法人日本ユニセフ協会




病院・水・学校、およびイラク南部の状況

【2003年5月9日】
病院:サダム・シティ(首都バグダッドの北東部、現在は「アルサドゥル・シティ」と改名。バグダッドの最貧困地域)では、下痢の症例が増加し、黒水熱を治療するペントスタン<日本ユニセフ協会註:一般名、スチボグルコン酸ナトリウム>の不足が深刻です。
 病院は非常に混雑しています。子どもたちは、ひとつの病室に一緒にされていることが多く、医師によると、これは伝染病の温床になりやすいと言います。ユニセフは、病院の警備員に「奨励給」や食糧を保障しています。また、ユニセフは、NGOや保健省のスタッフと協力して、基礎保健センターでニーズ・アセスメントを実施しています。
 昨夕、A C-130ベルギー空軍機がバグダッドに到着しました。同機により、総計15トンの支援物資が輸送されました。そのうち、10トンがユニセフによって提供された物資で、ORS(経口補水塩)250カートン、新緊急保健キット(キット2つで56箱分)、ペントスタン注射液(黒水熱治療薬)、BP100.ml(1000回分)が含まれます。また、WFP(世界食糧計画)により提供された高たんぱくビスケット 5トンも輸送されました。しかし、バグダッドの病院では、基礎医薬品の不足が続いています。

水:給水活動も継続しています。1日に20万リットルが市内各所に運ばれています。上水道設備における大きな問題は、電気が不足していることです。ユニセフは、上水道設備を稼動させるために必要な発電機を修理や、燃料の提供を行っています。それ以外には、上水道設備に問題はなく、新たな略奪も報告されていません。
 ユニセフは、下水処理ネットワークが維持できなくなったために汚れたままの排水管と下水をきれいにするためポンプ車と契約しています。これは、貧困地域だけでなく、市内のいくつかの地域で大きな問題となっています。ゴミ収集活動も継続中で、1日に15台のトラックが危険地域で収集を行っています。

学校:バグダッドの小学校は5月4日に再開しました。中学校は5月10日、大学は5月17日に再開予定です。いくつかの地域では、先生の不在が問題となっています。これは、移動に必要な燃料が不足していることにもよります。また、治安が悪いために子どもを家から出さない親たちもいます。
 イラク北部では、国内避難民が生活をしていた179校を調査した結果、90%が小規模な損傷しか受けていないことがわかりました。
 多くの子どもたちが地雷や不発弾によって死傷しています(人数は不明)。地雷啓発教育や安全な遊び場を提供するためにも、子どもたちをできる限り早く学校に戻す必要があります。

イラク南部:WHO(世界保健機関)は、バスラでコレラ発生の疑いがあると報告しています。2002年には、年間29件のコレラが発生しました。コレラの発生には、通常2つのシーズン—今ごろの時期と秋頃—があります。病院の状況は非常に深刻です。病院は高配し、医師はへとへとに疲れており、治安が心配なため、病院に寝泊りしています。

ユニセフは、以下の物資をクウェートからイラク南部に提供しています。
・ 塩素200トン
・ 水検査キット15個
・ 漂白剤40トン
・ 給水車による給水活動は継続中—水はすべて注意深く検査され、塩素処理される
・ バスラに8000個、ズバイルに5000個のポリタンクを輸送。学校の子どもたちには折りたたみ式
  のものを配布

****************

募金のお願い

 ユニセフによるイラクへの緊急支援を求める発表を踏まえ、日本ユニセフ協会では、今後さらに必要とされるイラクの子どもたちへのユニセフの人道支援活動を支援するため、イラク緊急募金の受付を開始します。多くの皆様のご支援をお願い申し上げます。