HOME > 世界の子どもたち > 緊急支援情報 > 東日本大震災緊急募金
財団法人日本ユニセフ協会
 



東日本大震災緊急募金 第67報
約80日ぶりの再開−岩手大槌保育園

【2011年6月1日 岩手・大槌町発】

© 日本ユニセフ協会

6月1日朝、岩手県大槌町の大槌保育園が、約80日ぶりに保育活動を再開しました。完成したばかりの仮設園舎には、早朝から、お母さんやお父さんに抱かれたり手を引かれた子どもたちが続々と登園。元気な姿を見せました。子どもたちと会えるのを何よりも楽しみに保育園再開の準備を進めてきた先生方は、子どもたちの元気な姿に安堵の表情を浮かべ、子どもたちと保護者との再会を喜び合いました。

日本ユニセフ協会の岩手県内の支援活動を統括している近藤智春 盛岡フィールドマネージャーも、今朝一番の電話で、「登園してくる子どもたちの姿を見て安心しました。お子さんを連れていらっしゃった保護者の方々の安堵した表情がとても印象的で、いつもお世話になっていた先生方との再会をとても喜んでいるようでした。最初は泣いていた子もすぐに慣れて本当に元気一杯に遊んでいます」と、保育再開初日の様子を伝えてきました。

© 日本ユニセフ協会
1日朝、続々と登園する子どもたち。

今日登園した子どもたちは46人。明日以降、さらに多くの子どもたちが、この保育園に通ってくる予定とのこと。46人全員の登園が確認され、担任の先生が紹介された後、園長の八木沢弓美子先生は、子どもたちに、「先生たちもみなさんと同じようにこの日を楽しみに準備していました。大槌保育園の地震、津波のために、もう会えなくなってしまったお友だちがいますが、いつも見守っていてくれています。みんな一生懸命遊んで、お友だちと仲良くして、先生のいうこともよくきいて過ごしていきましょう。」と挨拶されました。

 
© 日本ユニセフ協会
早朝から、保育再開準備に忙しくされている先生方。窓には先生方手作りの貼り絵やお花の飾りも。
 
© 日本ユニセフ協会
プレハブの園舎でも、できるだけ子どもたちに優しい空間に。青いマットが敷かれた保育室からは、子どもたちの歓声が聞こえていた。

多くの方のご協力で

日本ユニセフ協会/2011/K.Goto
仮設園舎は、津波の被害を受けた園舎から内陸に3キロほど離れた、緑豊かな場所に建てられた。

大槌保育園の再開までの80日あまりは、決して平坦な道のりではありませんでした。幸運にも、全壊を免れた大槌保育園。しかし、その建物は、「天井上10cmを残して津波がきた跡をはっきりと見ることができました。園内にあった物は全て津波により泥だらけになり、流れてしまったものも多くあります。窓ガラスも壊れておりました。」(八木沢先生)

その園舎を修理して再開するという案もあったそうですが、危険区域に指定される可能性があるため、別の場所を探すことに。しかし、土地はあっても、仮設園舎をつくるためのプレハブ用の資材などは、仮設住宅の建設に優先的に手配されているため、3ヶ月から半年も待つ必要があるという状況だったとのこと。そんな中、県内の建設業者が、保育園再開を待つ子どもたちのために奔走。入手が難しかった資材の確保や建設作業に最優先で取り組んでくださいました。

先生方のご尽力とボランティアさんはじめ多くの方のご協力により、保育活動の再開を果たした大槌保育園。「新しい仮園舎の建つ場所は緑に囲まれ、子どもたちが安心して過ごせる場所です。ユニセフさんのご協力を得て、6月1日より仮保育を再開できることとなりました。ユニセフさんはじめ、日ごろよりご支援いただいた皆様に、心より感謝申し上げます。」(八木沢先生)

 
© 日本ユニセフ協会/2011/K.Goto
保育再開に向けて進められてきた準備作業。

現在の支援物資到着状況

支援先
(県別)
支援物資 到着日 数量 寄贈企業 備考
宮城 3月19日 12,288本 VanaH(株) 2Lペットボトル
福島 3月22日 12,672本 VanaH(株) 2Lペットボトル
宮城 男児・女児用下着 3月22日 20万枚    
岩手 男児・女児用下着 3月23日 3万枚    
福島 3月23日 4,680本 キリンMCダノンウォーターズ(株) 2Lペットボトル
宮城 子ども用靴 3月23日 10,000足  
宮城 子ども用おむつ 3月24日 80パック P&G  
岩手 子ども用下着 3月24日 9,700枚    
福島 3月24日 12,288本 VanaH(株) 2Lペットボトル
岩手 3月26日 1,404足 アキレス(株)  
岩手 男児・女児用下着 3月27日 28,266枚    
岩手 長靴 3月27日 7,462足    
岩手 お尻ふき 3月28日 1,200個 P&G 赤ちゃん用
宮城 レクリエーションキット
「箱の中の幼稚園」
4月2日 各50   ユニセフ物資供給センターより調達
岩手 レクリエーションキット
「箱の中の幼稚園」
4月2日 各50   ユニセフ物資供給センターより調達
宮城 ランドセル 4月6日 70個 日本ニューバッグチェーン  
岩手 ランドセル 4月6日
-7日
340個 セイバン  
宮城 学校用かばん 4月8日 18,000個   ユニセフ物資供給センターより調達
岩手 学校用かばん 4月8日 18,000個   ユニセフ物資供給センターより調達
宮城 防犯ブザー 4月8日 5,000個    
岩手 防犯ブザー 4月8日 5,000個    
宮城 軽自動車 4月8日 3台    
宮城 サプリメント 4月上旬〜 4,000ボトル    
福島 4月11日 1,536本 VanaH(株) 2Lペットボトル
宮城 レクリエーションキット
補充素材
4月12日 60セット
宮城 ミニカー 4月12日 約1,200 タカラトミー
相模原* 4月12日 12,288本 VanaH(株) 2Lペットボトル
宮城 プレイマット 4月13日 2種
各80枚
IKEA
宮城 お絵かきセット 4月13日 60セット IKEA
岩手 保育園用いす・テーブル・座卓 4月14日 いす75脚・テーブル11台・座卓9台   被災した各幼・小・中・高と移転先へ
宮城 原付バイク 4月15日 5台    
岩手 小・中学生用ノート・文具セット 4月15日 (16,700セット)    
宮城 PC183台・コピー・FAX複合機(57台)・プリンター(61台) 4月18〜21日     各幼・小・中・高と移転先へ
福島 移動式黒板 4月21日 10台    
福島 仮設トイレ 4月22日 20基    
福島 放射能量測定器 4月28日 14台   相馬市各学校へ
岩手 更衣室・授乳用仕切りシステム 4月29日 21セット    
埼玉* 牛乳 4月末〜     加須市双葉町避難所
埼玉* ヨーグルト 5月初旬〜   ダノンジャパン(株) 加須市双葉町避難所
岩手 クーピー(120セット)/絵の具(240セット) 5月13日      
岩手 卓上電気スタンド 5月14日 15台    
岩手 文具セット 5月16日 840セット    
福島 ロッカー 5月16日 22セット   南相馬市教育委員会へ
福島 PC 5月16日 1台   石川町教育委員会

ちっちゃな図書館送付状況:約11万冊が350箇所以上に発送済み。(5月16日現在)
福島「おもいっきり!そとあそび」プロジェクトの参加児童数(予定含む):約5600名(5月26日現在)

*被災者受け入れ場所

※一部支援物資については、各県の物資集積倉庫より他県の避難所または被災者に配布されている場合もございます。

2011年5月16日午前9時現在 (広報室まとめ)