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財団法人日本ユニセフ協会
 



中東・北アフリカ緊急募金 第8報
リビア:最前線に人道支援物資を積んだ船が到着

【2011年4月7日 ローマ&ニューヨーク発】

食料、医療品、医師、そのほかの支援物資を積んだWFP(世界食糧計画)の船がリビア北部のミスラタ港に接岸しました。これにより、リビアの混乱から抜け出ることができない人々に、人道支援を送る手立てができました。

「リビアでの国連の人道支援活動にとっては突破口となります。紛争の中でも一番混乱した地域に閉じ込められた何万人もの人たちの支援を送ることができます」と語るのはWFPのジョセット・シーラン事務局長です。「これらの支援物資を、困難な状態にある人たち—特に女性や子どもたち—に送らなければなりません。そのため、リビア赤新月社を含めた地元のパートナーたちと共に、人々のニーズを満たすよう努力しています。」

WFPがチャーターした船、マリアン・ダニカ号は、4月7日午後にミスラタ港に着岸しました。船には、小麦粉、植物油、高カロリー・ビスケットなど、600トンに及ぶ食料が積み込まれておりますが、これは4万人分の食料1カ月分に値します。

船には、ユニセフとWHO(世界保健機関)の医療支援物資も積み込まれています。ユニセフとWHOが提供したこれらの緊急保健キットや外科手術用の道具は、3万人の1カ月分のニーズを満たすもので、産科用の外科手術キット、助産キット、衛生キットなどが入っています。そのほかにも、子どもたちが比較的安全な屋内で遊ぶことができる遊具も含まれています。子どもたちは、時に銃撃戦も起こる今回の混乱の中で、屋外に出ることもできないでいます。そのため、屋内で遊べる道具を提供すること、心のケアにとっては大事な要素となっています。マリアン・ダニカ号には、医師2人も乗船してきており、ミスラタで下船します。船が積んでいる医療用の品物は、ミスラタにある基幹病院に送られます。

「ミスラタ、そしてリビア全国にいる何万人もの子どもたちにとって、重篤な事態となっています。子どもたちは、この混乱の犠牲になる可能性があります。すでに大きな犠牲を払っている子どもたちもいるかもしれません」と語るのはユニセフのアンソニー・レーク事務局長です。「この子たちにとって、これらの支援はライフライン(命綱)であり、闘いの中に閉じ込められて、出るに出られない人たちのライフラインです」

ユニセフは、リビア東部でも、ベンガジにあるNGO(非政府機関)の協力を得て、影響を受けている人たち、避難民たちのために、保健キット、衛生キットを送り込んでいます。また、リビア東部からの信頼される筋からの報告を受けて、不発弾や最近になって埋められたとされる地雷の危険性から子どもたちを守るために、「ハンディキャップ・インターナショナル(HI)」と共に、地雷注意喚起教育を実施する予定でいます。