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財団法人日本ユニセフ協会



深刻化する中東情勢:ユニセフ2,380万ドルの支援を訴える

【2006年7月24日、ニューヨーク/ジュネーブ/ベイルート発】

©UNICEF/HQ06-1064/Brooks

ユニセフは現地時間24日、現在レバノンとシリアで深刻化する武力衝突に巻き込まれている子どもたちの支援のために、国際社会に対し、総額2,380万米ドル(27億7,700万円余り)の緊急支援を訴えました。これは、同日発表された国連の合同アピール1億5,000万米ドル(約175億500万円)の一部として発表されたものです。

ユニセフ事務局長アン・ベネマンのコメント:
「今回の武力衝突で住む場所を追われた人々の多くが子どもたちです。目の前で家族や友人などが傷を負ったり、命を失った子どもたちや、精神的に追い込まれている子どもたちも少なくないはずです。レバノン国内では約70万人が家を失っています。うち11万もの人々が学校等の公共施設や公園での避難生活を強いられています。また、これまでに15万人以上が隣国のシリアに逃れています。学校や病院、保健所の機能も止まっています。子どもたちは感染症や下痢性疾患などの脅威に晒されています」

©UNICEF/HQ06-1060/Brooks
戦火を逃れた人々の避難所となったベイルート中心部の小学校で眠るファトゥマ君3歳、ハッサン君3歳、サナちゃん10カ月。この小学校では1万人が避難生活を送っている。

ユニセフは他の国連機関や国際機関、NGO等と協力し、レバノン国内やシリアへ逃れた避難民に対し、医療、飲料水、衛生、心のケア等の支援を始め、準備しています。

24日までに、ユニセフは120万米ドル(約1億4,000万円)相当の医薬品等の支援を実施しました。22日には、デンマーク・コペンバーゲンの物資供給センターより、総量38トンの緊急支援物資を空輸しました。この一番機には、1,700世帯に安全な飲料水を提供するためのキット168セット、下痢性疾患の治療に使われる経口補水塩、医薬品、心のケアに使われるレクリエーションキットやスポーツ用品等が積み込まれました。また23日にも、飲料水キットや医薬品を積んだ二番機が、ルクセンブルグを発っています。

©UNICEF/HQ06-1068/Brooks

一方、レバノンのユニセフ現地事務所でも、現地で調達可能な医薬品や飲料水用タンク、石鹸などの衛生用品、心のケアに必要な玩具などを調達しました。

今回の支援アピールの対象となる向こう3カ月間、ユニセフは、レバノンおよびシリアで、主に以下のような内容の支援を実施します。



  • (避難所となっている)学校施設での飲料水・衛生設備(トイレ)の確保
  • 保健センター(クリニック)などへの医薬品の提供
  • 子どもたちのトラウマ予防・サポート
  • 子どもたちの家族との離散の防止、離散した子どもの保護と離散家族の発見。
  • 心のケアのためのレクリエーションキットの配布(避難所となっている学校50校に拠点設置)