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財団法人日本ユニセフ協会





スーダン大洪水
50万人が被災、緊急援助活動が進む中、援助資金は不足

【2007年9月23日 ハルツーム発】

深刻な洪水被害が続くスーダンでは、あらたな洪水により、少なくとも10万人が被災し、家屋崩壊、食料や必須生活用品の損失など、被害が拡大しています。国連は、パートナー機関とともに、緊急非常事態宣言を発令し、支援活動を展開しています。

国連スーダン常駐調整官兼人道調査官 アメーラ・ハク氏は、次のように語っています。「私たちは緊急非常事態に備え、政府機関、非政府機関などと協力体制を築いています。今回の事態にも、効果的な支援を行えるよう協力して活動を行っています」。

新たな洪水によって被害を受けた主な地域は、南ダルフールの西、スーダン中央部に位置する南コルドファン州です。少なくとも1万5,000家屋が全半壊し、被災者は7万5,000人、その内3万人が住むところがない状態であると言われています。死者20名以上、負傷者が65名に上っているほか、1万3,000頭以上の家畜を失うなど、現地の人々の生活や経済状況の被害も甚大です。

最近では、8月最終週から9月第一週にかけて発生した洪水により、50万人以上が被災しました。「8月末までに既に41万人が洪水の被害を受けていますが、あらたな洪水によって被災者は21万5,000人に増加し、緊急支援を必要とする人は62万5,000人に達するものと思われます」。と支援活動の最前線にいる国連スタッフ、ジョンク・クラーク氏は話します。

スーダン北部全域で、国連はきれいな水(主に塩素消毒による)を220万人の被災者に届けました。これは、水による病気の伝染を防ぎ、急性の下痢性疾患などにかかる人の割合を低くするために効果的であると考えられています。

8月28日、国連は緊急アピールを発信。緊急支援活動に必要な資金として、2020万ドルの支援を呼びかけました。この中で、ユニセフも保健と栄養、水と衛生、テント・避難シェルターの提供などの支援活動に必要な費用として980万ドル(11億2200万円あまり)の支援を求めています※。

※既報(9月10日付)のとおり、ユニセフは当初1951万6276ドルの支援を求めておりましたが、国連が共同で準備する緊急人道支援基金などを活用し、現在は、その不足額、約980万ドルの支援を求めています。

 

スーダン・ダルフール情報
日本ユニセフ協会、800万円を拠出

長引く紛争のために既に400万人近くが影響を受け、そのうち180万人が子どもたちといわれているスーダン・ダルフール地域。

日本ユニセフ協会では2004年より募金の受付を開始し、9月7日、日本ユニセフ協会は2007年4月以降に皆様からお寄せいただいたご支援として、8,079,190円を拠出しました(2004年11月〜2007年8月末までの募金総額は144,763,926円でした)。

© UNICEF/HQ06-2192/Cranston

ユニセフのロゴがついた簡易トイレに入ろうとしている男の子。トイレの後に手を洗うための水を持っている。西ダルフール州都、エル・ジェナイナ郊外のアル・リヤド避難民キャンプにて。

現地では極めて不安定な情勢が続く中、ユニセフは人道支援活動を続け、成果をあげています。
たとえば、

  • 栄養不良率は2004年以降半減しました。
  • 租死亡率は、危機的なレベルを脱しました。
  • 人口の70%以上がきれいな水を手に入れることができるようになりました。
  • 紛争の影響を受けた子どもたちが教育を受けられるようになりました。2005年にはダルフールで382,000人の子どもたちが学校に通いましたが、2006年には516,000人の子どもたちが通えるようになりました。さらに、中等教育へと進学する子どもの割合も増えました。

みなさまの暖かいご支援に、心よりお礼申し上げます。

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◇ 募金のお願い ◇

日本ユニセフ協会では、スーダンをはじめ人道危機に対するユニセフの支援活動を支援するための募金を下記の口座にて受け付けています。皆様のご協力をお願い申し上げます。