HOME > 世界の子どもたち > 緊急支援情報 > スマトラ 第22報(ソマリア)
財団法人日本ユニセフ協会




 

ソマリア

 津波によって、ソマリア北東部沿岸に住む約300人が命を落としました。海岸線の最東部にあるハフンという村は、最も大きな被害を受け、5千人が住む場所を失いました。殆どの家屋が破壊され、水と衛生システムもダメージを受け、食糧不足も続きました。しかし、ユニセフとそのパートナーによる緊急支援は数千万の人々に届けられ、特に下痢性疾患の発生を防ぐことができ、また子どもたちの就学率を急速に高めることに成功しました。

子どもの保護

 ハフンやその他の被災地域で、ユニセフと地域のパートナーは1,728人の子どもたちにはしかの予防ワクチンを接種し、病気に対する抵抗力をつけるためのビタミンAカプセルを配布しました。ユニセフはまた、ハフンの診療所に医療器具と物資を届け、下痢性疾患・急性呼吸器感染症・貧血の対処法と治療についてヘルスワーカーの研修を行い、妊産婦ケアを提供する活動を展開してきました。遠隔地域においては、4軒の診療所を建設し、それまでサービスを受けられなかった村でも医療サービスが受けられるようにしました。マラリアを予防するため、3,740張の蚊帳が配布されました。ユニセフは引き続き、ハフンのような場所の地域行政とパートナーシップを結び、妊産婦と子どものための診療所を支援し、乳幼児の栄養管理を行い、寝たきりの患者に関しては外来診療サービス・訪問看護を実行します。

水と衛生

 緊急支援の中で、ユニセフは飲料用に水を塩素処理したり、水をトラックで運搬したり、壊れた井戸を修復したりしました。引き続き、4,500人分の水を供給する13の新たな給水所を設置し、3,375人の児童のために7校にトイレを設置して、安全な水を提供する予定です。ユニセフは既に5つの給水システムを修復し、26,500人が安全な水を手に入れられるようになりました。又、水と衛生に関するサービス提供に対するコミュニティの関与を高め、サービスの運営や維持について外部からの支援に極力頼らずにできるように、コミュニティの水委員会と共同して活動しています。

学校へ戻ろう

 ハフンでは、開発戦略の最重要課題は教育であり、そこからその他の分野の支援活動が進展すると考えています。総合的なサービス提供のため、保健と水に関するサービスは教育イニシアチブと一緒に実施されます。現在までに、7つの仮設または準耐久性の校舎が完成し、さらに14校が建設中です。これによって、2,700人以上の児童がその恩恵を授かることになります。津波前には、ハフンではわずか男子35人と女子15人が一つの小さな教室に通うだけでした。ユニセフは、6つの教室がある新校舎と地域学習センターをコミュニティから寄付された土地に建設しました。それらは、校庭や職員室、備品室、公民館を兼ね備え、津波後に新たに入学した340人の子どもが快適に学習できることになります。

課題

  • ソマリアには過去15年間、中央政府が存在しません。ソマリア北東部のコミュニティは干ばつに悩まされ続けています。津波の被害を受けた650kmに渡るソマリアの沿岸部、中でもハフンは、中心地から非常に遠く、アクセスが困難で、能力あるパートナーが限られている状態です。スタッフや物資の手配も非常に複雑です。
  • 特に中部または南部にある区域で、安全上の問題で、アクセスが困難な地域があります。ユニセフは現地当局と、この地域で長年活動しているわずかなNGOに大きく頼らざるを得ません。

災害前よりも更に良い状態へ

 被災地が遠隔地域にありアクセスが困難なために、ほとんどの分野で、以前これらの地域で提供されていたレベル以上の支援が行われています。医療サービスの利用方法の改善、より良い給水システム、学校がなかったコミュニティへの校舎の建設などが挙げられます。津波は多くのコミュニティに大きな損害をもたらしましたが、ユニセフとパートナーは、より強力で持続可能なサービスを提供し、将来の課題にコミュニティが自らの力で対処できるように、また子どもたちのためにより健康で安全な環境を形成できるように、支援を行っています。

支出の内訳

各国での支援活動 マレーシア >>