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財団法人日本ユニセフ協会




 

津波を機に、より良い学校を −スリランカ−

一時的に視力を失い、スリランカ南部のハンバントタの故郷から遠くはなれた病院に入院していた14歳のジーナスを見つけたのは、彼女の先生の一人でした。ザヒーラ校の生徒である彼女は、津波で両親を失いましたが、コロンボで治療を受け視力を取り戻しました。現在は叔母と住み、友だちと共に学校へ戻ることができました。悪い出来事が起こってしまった代わりに今度は良いことが起きてほしいと彼女は願っています。

ジーナスの学校は津波でひどく破壊されました。ザイーラ校の校長を含めた5人の教師と100人の生徒が亡くなりました。片親または両親を失った生徒は90人もいます。校舎の主要な部分は完全に倒壊してしまったため、災害直後に支援団体と政府から提供された教室用の家具や文房具、備品を使いながら、1,000人の生徒全員が一つの小さな場所を共同で使っています。

現在使用可能な手段は確かに限られていますが、将来の展望はずっと素晴らしいものであるといえます。ザイーラ校は津波後「子どもにやさしい」学校として再建されている最中なのです。

ユニセフによって作られた「子どもにやさしい学校」アプローチはスリランカ政府に採用され、津波後の学校が以前よりも良い状態に復興することを目指しています。質の高い指導・学習環境の提供、学習用具の提供、学校とコミュニティ内での最低限の保健と子どもの保護に関する基準の設置などを通して、実現されることが期待されています。

2006年半ばまでに、学校に新しい校庭を作ってレクリエーションの場を拡大するとともに、新しい学習施設、図書館、換気の良い教室が導入され、男女別々のトイレが設置されることになりました。

「生徒たちは前進するための能力と可能性を持っていますが、これまでそのための資源が不足していたんです」とザイーラ校の英語教師であるリシャム先生は言います。「今は機会が与えられました。苦しい経験をしましたが、私たちの子どもたちが津波でひどく落ち込んでしまったとは思いたくないのです。そうではなくて、津波をきっかけに新しい未来に立ち向かっているのです。」

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