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財団法人日本ユニセフ協会

ライブラリー プレスリリース

児童買春等禁止法改正に関する要望書への賛同団体を募集しています。

 平素は、ユニセフ(国際連合児童基金)および(財)日本ユニセフ協会の活動にご理解とご支援を賜り、心より感謝申し上げます。
さて、1989年11月20日に国連総会で採択された「子どもの権利条約」に定める「子どもの権利」の実現を使命とする当協会は、1996年より、子どもの権利の最も深刻な侵害である「子どもの商業的性的搾取」いわゆる「子ども買春、子どもポルノ、性的目的の子どもの人身売買」の根絶を目指し、「犯罪です。子ども買春。」キャンペーンを展開してまいりました。
その結果、国会議員、NGO関係者、専門家、ジャーナリストの皆様のご尽力により、1999年11月1日には「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律」が施行されました。

この法律は、その附則において施行後3年を目処に見直しを行うことが定められており、昨年から自民党児童買春等対策特別委員会において検討が行われております。

当協会は、この法律が、「子どもの権利条約」を反映した方向で改正されることを目指し、関係NGOの皆様と要望書の作成を行ってまいりました。

つきましては、以下の要望書にご賛同いただける団体は、以下までご連絡いただければ幸いです。

児童買春禁止法改正に関するユニセフ公開セミナー案内のページへ

ご賛同連絡先:jinkenyougo@hotmail.com

呼びかけ文

みなさま
長文で失礼いたします。

  1. 「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び保護等に関する法律」(通称「児童買春・児童ポルノ禁止法」)は1999年に施行されました。この法律については、みなさまのご活動で、あるいは報道で、ご存じのことと思います。
    この法律には「施行後3年を目途として」見直す、という規定があり、1月下旬から始まる国会会期内に、改正が論議される予定です。私たちは、下記のような「要望書」を作成しました。みなさまの団体のご賛同をいただき、「市民社会の一致した声」として提出したいと思います。
    この要望書は、子どもの権利や性暴力の問題に取り組む団体だけではなく、人権、国際協力、平和、社会福祉、教育など、さまざまな課題で活動する広範なNGO・市民団体のみなさまにご賛同いただけるものとして、作成いたしました。
  2. いまも、東南アジアを中心に、世界各地で多くの日本人が子どもを買春しています。現地で子どもを使ってポルノグラフィを製造する者も少なくありません。もちろん、国内で子どもが買春・ポルノグラフィの被害にあっていることは、いうまでもありません。 しかし、日本の内外で被害を受けた子どもの保護はきわめて不十分です。また、子ども買春者・ポルノ利用者と関連業者への規制もあまりに不十分です。それどころか、買春者・ポルノ利用者や業者よりも子どもを非難する声は多く、そのため、子どもに対する処罰の導入を求める意見すら登場しています。
    私たちは、はっきりと、子ども買春者・ポルノ利用者と業者の責任を問います。
  3. 現行の児童買春・児童ポルノ禁止法は、一定の効果をあげてきました。しかし、「子どもの権利を実現する」という見地に立ちきれていません。そのため、多くの問題を残しています。
    日本は「子どもの権利条約」を批准している国です。私たちは、子どもの権利を守り、実現するための規定と運用を求めます。それにより、子どもを買春・ポルノグラフィ・人身売買から守り抜くことを求めます。
    また、被害を受けた子どもへの十分なケアを求めます。そのために「子ども被害者支援センター」等の専門機関を立ち上げるように求めます。 さらに、国際協力の観点から、外国における日本の買春者の規制に協力することを求めます。
  4. 要望書は衆参両院議長と衆参両院法務委員会委員長に提出いたします。さらに、微力ながら、各政党と議員への働きかけも行っていきます。どうか、市民社会をになう多くのNGO・市民団体のご賛同をお願いいたします。ご賛同の連絡は、インターネット上で広報しました分につきましては、電子メールでお受けいたします。公開を前提でお願いいたします。なお、個人名でのご賛同はご遠慮ください。

ご賛同連絡先:jinkenyougo@hotmail.com

現行の「児童買春・児童ポルノ禁止法」は次のページをご覧ください:
http://www.awcnetwork.org/law.htm

「子どもの権利条約」は次のページをご覧ください:
https://www.unicef.or.jp/kenri/joy_bod.htm

呼びかけ団体
財団法人日本ユニセフ協会

呼びかけ人
東郷 良尚 (日本ユニセフ協会)
森田 明彦 (日本ユニセフ協会)
マリ・クリスティーヌ (アジアの女性と子どもネットワーク)
山本 博子 (アジアの女性と子どもネットワーク)
宮本 潤子 (ECPAT/ストップ子ども買春の会)
中原 眞澄 (ECPAT/ストップ子ども買春の会)
甲斐田 万智子 (国際子ども権利センター)
坂井 隆之 (国際子ども権利センター)
坂口 和子 (東京YWCA)
梅本 弘子 (日本YWCA)
毛利 亮子 (日本YWCA)
高橋 喜久江 (売買春問題ととりくむ会)

呼びかけ団体・呼びかけ人一覧
賛同団体一覧

(以下、要望書です。提出先役職者が改選されたときには、氏名を変更します。また、賛同団体名は一覧にして最後に列記させていただきます。)

2003年1月 日

衆議院議長 綿貫民輔 殿
参議院議長 倉田寛之 殿
衆議院法務委員会委員長 山本有ニ 殿
参議院法務委員会委員長 魚住裕一郎 殿

「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び保護等に関する法律」の改正に向けた

要望書

1999年議員立法により全会一致で成立した『児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び保護等に関する法律』は、「児童の権利」を明記した日本における唯一の法律です。本法に規定された3年後の見直し時期にあたり、この度の改正が『児童の権利条約』にある「子どもの最善の利益」をより確実に担保できるものとなるために、子どもや女性の人権、性搾取や虐待問題、国際協力等に取り組んできた私たちは、各条項に関して以下のように要望いたします。

第1条(目的)
  • 児童の権利の「擁護に資する」を「実現」等の、より積極的な表現にする。運用改善として、問題解決のために子ども自身の参加を促す。特に虐待被害者・サバイバーの声を反映させる努力を。
第2条(定義)
  • 2項〈児童買春〉における性交等の「性交類似行為」を、子どもに対する全ての性的虐待行為を網羅できる表現にする。 3項〈児童ポルノ〉においてはインターネット等の電磁データを「その他」に含めるのではなく、適切な表現で明示する。
  • 写真、ビデオテープ他の「視覚により認識する」ものに限定せず、音声や文字によるものも含める。
  • 三号ポルノの定義「性欲を興奮させ又は刺激する」という猥褻定義を踏襲した表現を、「性的刺激をもたらすことを意図して制作され又はその意図を以って提供されたもの。(意図の不在及び代替不可能性の立証責任は製作者・提供者が負う。)」とする。
第4条(児童買春)
  • 量刑の強化を行なう。「3年以下の懲役」を児童福祉法における淫行をさせる行為、有害支配行為等子どもの福祉の侵害への量刑同様に、「10年以下の懲役」とする。罰金額も加増する。
  • 「又は」を、「及び、もしくは又は」に変えて、併合した加罰も可能とする。
  • 未遂も処罰対象とする。
第5条(児童買春周旋)
  • 第4条と同様に量刑を適切に加増する。
  • 1項の量刑における「3年以下」を「10年以下」とし、「又は」を「及び、もしくは又は」とする。
  • 2項の量刑「500万以下の罰金」を、犯罪抑止効果のある罰金額とし、「数千万円」規模とする。
  • 不正な行為によって得た利益に対する没収刑を入れる。
第6条(児童買春勧誘)
  • 量刑に関しては、前条と同様。
    ・「勧誘」に加えて「助長する」を入れる。テレクラ、出会い系サイトも大きな被害を出している。
第7条(児童ポルノ頒布等)
  • 量刑に関しては、第5条と同様。
  • インターネット上の行為を直接指示する表現を加える。
  • 「単純所持」も処罰の対象とする。
  • 1項は「頒布」に限定せず、個人的な「譲渡・譲受」も対象に含める。
  • 「業として貸与」の「業として」は削除する。
  • 「広告、宣伝」も正犯として処罰対象に含める。
  • 2項「前項に掲げる行為の目的」を削除して、「単純製造」も処罰対象とし、1項と一体化する。
  • 3項の「第1項に掲げる行為の目的」も削除する。
第8条(児童買春等目的人身売買等)
  • 有効な執行のために、現状の調査を要請する。
第9条(児童の年齢の知情)
  • 児童を使用する者だけでなく、全ての者に年齢確認義務を課す。
第10条(国民の国外犯)
  • 国際的協力体制の構築を具体的に推し進める。
  • 犯罪人身柄引き渡しの条約を、関係国と締結する。当該国での裁判が適切な場合、それを可能にする取り決めを。
第12条(捜査及び公判における配慮等)
  • 海外での子どもの証言が証拠採用できるための具体的方策を。
  • 2項の「訓練及び啓発」が現場に届くための措置が実施されるために、担当部局の決定、国会への実施報告義務、国連子どもの権利委員会への報告等の方策をとる。
第13条(記事等の掲載等の禁止)
  • 「新聞紙その他の出版物に掲載し、又は放送」に「インターネット」も加える。
第14条(教育、啓発及び調査研究)
  • 「国及び地方公共団体」に「事業者」も入れる。
  • 「国民の理解」に加え「特に、教員等子どもに接する立場にある者の理解」を強調して入れる。
  • 「努める」だけではなく、義務教育カリキュラムに組み入れることを含め、義務づける。
第15条(心身に有害な影響を受けた児童の保護)
第16条(心身に有害な影響を受けた児童の保護のための体制の整備)
  • 国としての具体的計画を立て、実施結果を担当省庁が「毎年、国会に報告する」義務を負う。計画項目の中には以下を含める。
  • PTSDに対処できる「子ども被害者支援センター」等の専門的機関を立ち上げる。同時に病院、学校、施設においても専門職の育成と人材の配置を行う。
  • 未然防止の視点を入れる。
  • 海外のケースにおいても責任をもって当たること。被害児童の保護・回復のためにODAの活用を。
  • 加害者のフォローアップと、再犯防止の教育・訓練の実施を。
第17条(国際協力の推進)
  • 海外での証言が証拠採用されるための方法を具体化する。
  • 犯罪者の引き渡しを相互に行えるよう、取り決めを急ぐ。
  • ODAを活用し、現地での捜査能力を高めるための資金援助を。
  • 多国間機関の活用、協力を。
附則
  • 「見直し規定(3年後)」を改めて設ける。

以上

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