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財団法人日本ユニセフ協会

ライブラリー プレスリリース

西アフリカ・中央アフリカ諸国:女性と子どもの人身売買と闘う歴史的協定に調印

【2006年7月6日、アブジャ発】

©UNICEF Benin/2006/Crowe
ベニンのザ・フラ小学校にて。この14人の男の子は、ナイジェリアに売られ児童労働に従事させられていた。

西アフリカ及び中央アフリカ政府は6日、女性と子どもの人身売買と闘う、多国間協定と地域行動計画に調印しました。西アフリカ経済共同体(ECOWAS)、ナイジェリア政府、ナイジェリア国家人身売買及び関連問題防止機関(NAPTIP)が主催し、ナイジェリアの首都アブジャで開催されたECOWASと中部アフリカ諸国経済共同体(ECCAS)の合同閣僚会議において合意に至ったこの協定は、西アフリカ及び中央アフリカ地域の全ての国を対象とした包括的なものであるという点において、歴史的な成果と言えます。

これ程多くの国々が、人身売買問題解決のための地域戦略や活動計画に賛同を示した前例はありません。人身売買が多国間問題であるのとの認識から、ECOWASとECCASは、この問題への取組みの先頭に立ってきました。ユニセフ(UNICEF)は、国際労働機関(ILO)や国連薬物犯罪事務所(UNODC)とともに、参加各国政府との調整等、本会議の開催を支援しました。

アフリカにおける人身売買の実情を示す具体的な数字は存在しません。この問題自体が非合法な行為に関わるものであることも、その理由の一つです。しかしながら、今日、西部・中部アフリカで、 特に女性と子どもの人身売買の問題が自国に存在しないと言い切れる国は一つもありません。地域閣僚会議の開会にあたり、ECOWAS議長であるモハメド・イブン・チャンバス博士は、「全てではないにしても、西アフリカ、中央アフリカ地域のほとんどの国で、国内における、そして国境を超えた人身売買は、深刻な問題になっています。」と発言しました。この地域の殆どの国は、人身売買問題の「送り出し」国であり、「経由」国であり、「受け入れ」国なのです。

人身売買の背景・原因には「貧困」があると説明されます。しかし、「貧困」は人身売買の背景の、ほんの一部に過ぎません。人身売買は、(女性や子どもなどの社会的弱者を)保護する環境(例えば学校制度など)が機能しなくなった時に起こります。また、伝統的に行われている「労働移民」が、時に人身売買の温床となっていることも知られています。故に、この問題の解決には包括的なアプローチが必要とされるのです。

ユニセフ西部・中部アフリカ地域事務所エスター・グルマ代表 は次のメッセージを寄せています。「子どもたちが人身売買の被害に遭わないよう、『予防面』でのアクションを取らなければなりません。人身売買の被害に遭った子どもたちには、経済的・社会的支援を提供しなければなりません。また、そうした支援は、子どもたちが祖国に戻った際にスムーズに社会復帰できるよう、彼らが生まれ育った文化的背景を考慮したものでなくてはなりません」

現在確認されている人身売買のケースの多くは、特定の地域、国に集中していますが、こうした領域を越えた人身売買の流れが存在することも事実です。国際労働機関人権上級アドバイザーのリー・スウェプストン氏によれば、「ヨーロッパの売春組織による人身の密売買の背景には、国際的な女性や女の子の人身売買が存在します。また、中東地域の男の子は、薬物や武器の密輸出入の担い手として狙われています。

そして世界では、何千・何万もの人々が人身売買の被害に遭い、奴隷のような形で(の労働に従事させられ)経済的に搾取されているのです」。先頃発表された、世界の児童労働に関する最新の報告書は、サハラ以南のアフリカは、世界のあらゆる地域の中でも、経済活動(いわゆる「児童労働」)に従事する子どもの割合が最も高い地域であると指摘しています。

この歴史的協定が結ばれたECOWAS・ECCAS合同閣僚会議は、過去数年間にわたり、この地域で高まってきた人身売買問題への関心や解決に向けた政治的意志の結実の結果として開催されました。各国政府関係者、NGOや地域間機関や国際機関の代表者を集めて2000年と2002年に開催された「リブレヴィル協議」では、子どもの人身売買問題に取り組むための共通の「枠組み」が確認されました。また、多くの国では、子どもの人身売買問題に取り組むために、法律の見直しや改正、国家活動計画の作成や修正が行われてます。

西アフリカでは、複数の国が、子どもの人身売買問題への取組みにおける協力に関する2国間協定に調印しました。ECCAS事務局長ルイ・シルヴァン・ゴマ将軍は、この合同閣僚会議の席上、次のように訴えています。「この地域での人身売買に対する闘いに勝利するためには、私たちは、もう一歩先に進まなければなりません。西アフリカ・中央アフリカの全ての国が、人身売買に対する共通の定義と理解を持ち、この地域の共同活動計画を、強力な制度や施策で推し進めてゆかなければなりません」

今回、(西アフリカ・中部アフリカ地域をカバーする)多国間協定と地域活動計画が採択されたことは、人身売買問題への取組みに向けた重要な一歩です。この協定は、女性や子どもを中心とした人身売買根絶にむけた包括的取組みの一つとして、この地域活動計画を通して実施されます。例えば、ナイジェリア国家人身売買及び関連問題防止機関(NAPTIP)の活動は、この地域活動計画を具体的に促進した良い例の一つと言えましょう。NAPTIPの活動は多岐にわたります。

「人身売買の防止。加害者の逮捕。被害者の社会復帰支援も私達の仕事です。」と、NAPTIP事務局長キャロル・ンダグバ氏は述べています。今回採択された地域活動計画は、ユニセフが開発した「人身売買被害に遭った子どもたちの権利の保護のためのガイドライン」と、ILOや関係団体が提唱している「子どもの人身売買監視システム」に沿って実施されなくてはなりません。

今回、西・中部アフリカ地域の国々は、人身売買の根絶に向け、大変重要な一歩を踏み出しました。しかし、まだやらなければならないことが沢山残っています。国連薬物犯罪事務局のアントニオ・マッツィテリ地域局長は、次のメッセージを寄せています。「ECOWASと ECCASは、今日成立した協定が実施されるよう、各国政府をサポートし指導するという、重要な役割を持つことになります。国連各機関は、特に女性と子どもの人身売買根絶のための闘いに、今後も必要な支援をしてゆきます。」

 

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