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財団法人日本ユニセフ協会

ライブラリー プレスリリース

10年で子ども200万人が犠牲に
国連安全保障理事会、武力紛争下の子どもの保護へ

【2006年7月24日 ニューヨーク発】

© UNICEF/HQ01-0093/Mann

紛争下の子どもたちの保護を目的とした画期的決議を採択してから1年。国連安全保障理事会理事国は、24日、誘拐や性的虐待、徴兵をはじめとする世界の紛争地で横行する重大な権利侵害行為から子どもたちを守るため、具体的な方策を議論しました 。

国連安全保障理事会が1年前に採択した安保理決議1612号(2005)は、(紛争下における)6つの形態の子どもの権利の重大な侵害行為を監視し報告する仕組みと、作業部会の設置を求めました。

ユニセフと、子どもと武力紛争に関する国連事務総長特別代表事務所(SRSG-CAAC)は、この決議に基づき、世界中のNGO・市民団体などとともに、ブルンジ、コートジボアール、コンゴ民主共和国、ネパール、ソマリア、スリランカ、スーダンの7カ国で、殺傷、誘拐、学校や病院への襲撃、性的暴行、徴兵、紛争地域での人道支援活動に対する妨害の6つの側面における『監視と報告』システムの構築を模索・検証しています。

安保理開催にあたり、ユニセフのアン・ベネマン事務局長は、以下のコメントを寄せています。「何世紀もの間、子どもたちは紛争の犠牲者でした。にも関わらず、彼らの身の上に起こった悲劇は記録されることもなく、また、気にとめられることもなかったのです。しかし、国連安全保障理事会の支持を得たことによって、今日、私たちは子どもたちの権利侵害の規模を正確に把握することができるようになり、より効果的な対策・支援もできるようになったのです。過去10年の間に、家を失った子どもの数は数え切れません。命を失った子どもは200万人にものぼります」

© UNICEF/HQ03-0554/LeMoyne

安保理決議1612号に基づき、この6月に安保理作業部会は、コンゴ民主共和国の状況に関して、初めての実質的な会合を持ちました。子どもと武力紛争に関する国連事務総長特別代表のラディカ・クマラスワミ氏は、「この作業部会が、(子どもの権利条約の)違反者や、(安保理)決議を無視し続ける国や組織・集団への(国際社会の)対応について、安保理に具体的な勧告を提出してくれることを期待しています」とコメントしています。

クマラスワミ氏はまた、次のように訴えています。「(権利侵害行為を)監視するシステムは機能し始めました。今度は(国際社会が監視によって報告された権利侵害行為を行った者・集団に対し)具体的な行動を取って行かなければなりません。紛争が起こった時、例え難民という状況に追い込まれていようといまいと、子どもたちは常に最初の直接的な暴力の被害者なのです。紛争における子どもたちの問題は『子どもの兵士の社会復帰』にとどまりません。他にも多くの形態の権利侵害の問題に取り組む必要があります。また、現在7カ国でしか実施されていない『監視と報告』活動が、他の全ての紛争地域でも実施されなければならないのです」

ユニセフと国連事務総長特別代表事務所は、この『監視と報告』システムが、(単なる監視と報告にとどまらず)トラウマのケアや病気の治療、家族との再会などの具体的な支援の提供に直結するよう、世界各地のパートナーと力を合わせてゆくとの方針を確認しています。

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