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ライブラリー 報告会レポート

ユニセフ・シアター 映画『魔女と呼ばれた少女』
特別試写会 ・ トークショーを開催しました

(C)日本ユニセフ協会
© 日本ユニセフ協会

2月25日(月)、一般公開に先立ち、第85回アカデミー賞外国語映画賞ノミネート作品『魔女と呼ばれた少女』の特別試写会を開催しました。当日は様々な年代の方にお越しいただき、盛況のうちにイベントを終えることができました。本作は12歳で子どもの兵士となった少女が、やがて恋をし、母になる姿を描きながら、子どもたちが経験する恐怖や麻痺していく“正常”な感覚、過去との葛藤や未来への希望、そして、立ちはだかる現実を、少女の目線で表現した作品です。

トークショー「アフリカの未来を考える」

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TICAD V学生プロジェクト西日本
代表の辻愛麻さん

上映に先立ち、「アフリカの未来を考える」と題したミニトークショーを行いました。TICAD V学生プロジェクト西日本代表の辻愛麻さんと当協会広報室室長の中井裕真が登壇。中井より、映画の舞台となっているコンゴ民主共和国について、資源も多く、経済成長の軌道にものりつつある一方、2010年時点での5歳未満児死亡率ではワースト10であるという現状を説明。コンゴをはじめ、アフリカの国々が抱える問題の複雑さや映画の背景でも描かれている子どもの置かれる状況について述べました。

辻さんはケニア、ガーナ、ブルキナファソへの渡航経験を通じて、文化の違いや肌で感じたアフリカの多民族性についてのエピソードを紹介。また、それによってもたらされる摩擦についても触れ、一方的な援助や支援ではなく、相手の声をしっかりと聞いて、協働できる社会の大切さ、アフリカの人たちの自立を促す=ownershipと、対等な関係をつくる=partnershipによる持続的な社会づくりの重要性を訴えました。

「声」を届ける場所と機会の重要性

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辻さんは今年6月に横浜で行われるTICAD V(アフリカ開発会議)に向け、若者の間でもアフリカ開発に関心を持ってもらうための活動を行っているTICAD V学生プロジェクトのメンバーです。アフリカの自立支援について、問題は遠くで起きていること、自分には関係の無い世界、と捉えるのではなく、私たちの行動がまわりまわって連鎖していることを、より大きな視点で捉える必要があると感じたと話しました。若者の発言の機会を与え、その声を聞き入れる場所をつくることで、若者たちの能力を最大限に発揮できる土壌づくりこそが大事だと続けました。

「私たちに何が出来るのか」

辻さんは紛争や子どもの兵士の問題について、「誰も好んで武器を持ったり、趣味で子どもに武器を持たせるわけではない。問題なのは、選択肢がないことであり、その中での選択の連鎖がもたらす結果が、紛争や暴力なのではないか」と訴えました。中井室長は、ユニセフ職員として現地でイラク、ミャンマー、ソマリアで活動した際の経験を踏まえ、「自分たちを認めてもらえる社会」をつくることが、子どもたちが求めている社会だと感じた、と語ります。さらに、機会や選択肢を与えることで子どもたちが認められ、彼らの可能性を最大限に引き出せる社会づくりにも繋がる、と続けました。

「まず、偏見を持たずにアフリカで何が起きているのかを知ること、そして身近な場所でアフリカの人たちと触れ合う姿勢を持ってほしい」という辻さんのメッセージで、トークショーは締めくくられました。

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© 2012 Productions KOMONA inc.

今回の特別試写会にご来場いただいた皆さんからは、「何が正解で何が本当なのか、そういったことをもっと自分の目で色々見て確かめたくなりました」「産まれた赤ちゃんの未来が、コモナとは違う子どもらしい平和な時代になるのか、まだ子どもの試練が続くのか…私たちに何ができるのかが、今日の宿題です」「普段見えている世界だけでなく、世界の人々が幸せに暮らせる世界にするために、何か自分にできることを考えたいなと思いました」といった声をいただきました。今回の試写会が皆様にとって新しい世界の扉を開くきっかけになれば幸いです。多くの皆様のご参加、ありがとうございました。

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今後も日本ユニセフ協会ではイベントを開催予定です。詳細は随時ホームページ・Facebook等でお知らせいたします。

◇ 映画『魔女と呼ばれた少女』は3月9日より全国順次公開です。公式ホームページはこちら

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