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公益財団法人日本ユニセフ協会

4月25日は『世界マラリア・デー』
マラリアによる死者、58.4万人/年
子どもと妊婦への予防と治療を

【2015年4月23日 ニューヨーク発】

蚊帳の中で笑顔を見せる親子
© UNICEF/PFPG2014-1191/Hallahan
蚊帳の中で笑顔を見せる親子(タンザニア)。

4月25日の『世界マラリア・デー』に先立ち、ユニセフ(国際児童基金)は “マラリアと子どもに関する概況”をまとめました。この報告は、世界でこの病気が子どもと妊娠中の女性に与えている甚大な影響を示しています。

「2000年以降、マラリアによる子どもの死亡数は、40%減少しました。今年の『世界マラリア・デー』は、我々がどこまで到達できたのかを知る重要な指標となるでしょう」とユニセフ本部保健部門部長のミッキー・チョプラは話しました。「しかし、今も年間50万人近い子どもの命が奪われているという事実は、私たちに、より一層の努力と投資をしなければ、今後も長きにわたってマラリアが脅威となり続けることを強く思い出させてくれます」

マラリアと子どもに関する概況

  • 2013年の世界のマラリア症例数は1億9,800万件、死亡者数は58万4,000人。
    • ⇒ マラリアによる死亡の90%はアフリカで起きている。
    • ⇒ 死亡者数の78%にあたる45万6,000人は、5歳未満児の子どもである(2000年から40%減少)。
  • マラリア予防・診断・治療へのアクセス改善によって、守られた命は430万人(2001年〜2013年)。
    • ⇒ その92%(390万人)がサハラ以南のアフリカの5歳未満児。
  • マラリアの予防薬と鉄分のサプリメントを手にする妊婦
    © UNICEF/SRLA2010-0146/Asselin
    マラリアの予防薬と鉄分のサプリメントを手にする妊婦(シエラレオネ)。
  • 妊娠中の女性をマラリアから守ることが重要である。
    妊婦がマラリアに感染することで、推計で年間1万人の母親と20万人の1歳未満の乳児が死亡している。
  • 妊娠中のマラリア予防法は、シンプルで安価である:予防治療の費用は1回12セント(全4回で50セント以下)であり、殺虫処理済の蚊帳は配送費用を含めて5米ドルである。
  • 妊娠中の訪問健診は、予防治療を行う最善の機会であるが、実施率は低い。
    望ましいとされる4回の訪問健診を受けられるのは、農村部で10人中わずか4人である(都市部では10人中7人)。
  • 妊婦健診の際に予防治療を施すことができれば、新生児死亡を31%、出生児の低体重を43%減らすことが可能である。しかし、マラリアが流行しているサハラ以南のアフリカの妊婦の4人に3人は予防治療を受けていない。これは、2014年だけで、およそ2,800万人がマラリアから守られることなく生まれたことを意味している。
  • 経済的に豊かになれば、妊娠中のマラリア予防治療を受ける可能性は高まるが、貧しいか裕福かに限らず、感染国の大多数の妊婦は適切なケアを受けていない。最富裕層の女性の70%と、再貧困層の女性の80%が、予防ケアを受けていない。
  • いくつかの国では、都市部に比べ、農村部で予防治療を受けられる女性は半数かそれ以下である。
    • トーゴでは、都市部の女性の3人に2人は予防治療を受けているが、農村部の女性は3人に1人に留まっている。
    • セネガル、モザンビーク、ギニア、ブルキナファソ、チャドでは、農村部の予防治療率は都市部の半分である。
  • マラリアを根絶できれば、サハラ以南のアフリカだけで2,700億米ドルの費用を削減できると見積もられている。
  • 今年の『世界マラリア・デー』のテーマは、“未来へ投資を:マラリアに打ち勝つ”。ユニセフは、ソーシャルメディアを使って、ハッシュタグ#defeatmalariaを付けたメッセージを広く発信していきます。

「マラリアで命を落とす子どもを、ひとりも出してはなりません。どこに住んでいても、どんなに貧しくても、すべての子どもと女性がマラリアの治療を受けられなければなりません。マラリアによる死は、防ぐことができるのです。この病気を撲滅するための対策を講じられるかは、私たち−政府、国際社会、保健の専門家、ドナー−次第なのです」(チョプラ保健部門部長)

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