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公益財団法人日本ユニセフ協会

ブルンジ:
約3,000人の子どもが路上生活
不安、恐怖、空腹に怯えながら

【2015年6月2日 ブジュンブラ(ブルンジ)発】

路上で暮らす、13歳のクリスティンさん。
© UNICEF Burundi/Luthi
「最近はとても大変です。衝突があってから、すべてが止まってしまいました」と話す、13歳のクリスティンさん。

ブルンジでは、4月末に発生した武力衝突により、多くの人々が自宅からの避難を強いられています。

ブルンジに生まれた子どもたちは、武力衝突が発生する前から、数々の困難に直面しています。平均的なブルンジの子どもは栄養不良の状態にあり、学校では1つの教室に74人の生徒がひしめき合い、1冊の教科書を4人で共有しています。さらに、貧困状況にある家庭では、女の子が暴力にさらされたり、路上生活を余儀なくされるケースもあります。

独立して以降、ブルンジでは、何度も繰り返し争いが起きていましたが、2005年以降は不安定ながらも平和な状態にあり、国も徐々に再建されてきていました。しかし、今年4月末、ブルンジの首都ブジュンブラで行われた暴力を伴う予備選挙のデモをきっかけに、すでに苦境に立たされていた子どもたちの状況がさらに悪化することとなりました。

閉鎖された学校、路上で暮らす子どもたち

ブジュンブラでは現在、大多数の学校が閉鎖され、学年の最終学期を迎えていた学生たちは、授業を受けることができていません。学校再開のためには、治安が回復し、すべての子どもたちが安全に学校に通える環境が整うことが、極めて重要です。子どもたちの中には、修了試験を受けようと試験場へ向かいましたが、すでに閉鎖されており、試験を受けられていない子もいます。

学校が閉鎖された後、町の路上では、車を洗ったり、鞄を運んだりするなど、とにかく食べるために何かをしてお金を手に入れようとする子どもたちを、毎日のように見かけるようになりました。子どもたちは自己防衛のため複数人数で集まり、路上で寝食を共にしています。

ユニセフは、その子どもたちが家族の元に戻り、コミュニティーに戻って暮らす手立てを見つけようと取り組んでいますが、決して簡単ではありません。なぜなら、それらの子どもたちは、理由があって家を出たからです。多くの場合、それは暴力と貧困です。ブルンジの3つの主要都市では、約3,000人の子どもが路上生活をしているとされ、その大半はブジュンブラで暮らしています。

不安、恐怖、空腹が襲う

路上で暮らす、9歳のアイメ。
© UNICEF Burundi/Luthi
9歳のアイメちゃんは、「衝突が始まってから生活がとても難しくなりました。私は夜が怖くていつも隠れています」と話します。

4月に武力衝突が発生したとき、最初にその影響を受けるのは、こういった路上で暮らす子どもたちでした。たくさんの警官が路上に配備され、この子どもたちは市場や他のビジネス地域に行くことができなくなりました。衝突発生後、ユニセフのスタッフが早急に子どもたちの様子を確認しに行くと、彼らは不安と恐怖、そして、空腹と闘っていました。

「最近は、とても大変です」と、13歳のクリスティンさんが言います。彼女はこれまで2年間、ブジュンブラの路上で生活していました。「衝突があってから、すべてが止まってしまいました。街は空っぽになり、食べ物を見つけることが難しくなっています。食事は毎日とれる状況にはありません。そしてなにより、怖いです」

クリスティンさんと他の子どもたちは、自分たちが絶望的な状況にあることを認識しています。ユニセフは、パートナー団体と共に、少なくとも1日1回の食事や、水、衛生キット、毛布を手配し、子どもたちに届けました。子どもたちの何人かは家族の元に戻ったり、別の地域に行きました。

しかし、50人ほどの子どもたちは街中の避難所で保護されています。その避難所は、クーデターによる衝突発生現場の近くにあります。安全のために自宅から離れて避難しているはずの子どもたちが、ここで毎晩のように、銃声に怯え、泣きながら眠りについています。

ユニセフ・ブルンジ事務所のペドロ・ゲラ子どもの保護専門官は、「私たちは、現在の状況を改善し、ブルンジの子どもたちが必要としている“暴力のない社会”を実現できると信じています。子どもたちが十分なケアを受け、一番関心のあることに打ち込めることができる−そのような社会を彼らに提供するために取り組まなければならないのです」と述べています。

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