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ユニセフ協会からのお知らせ

ユニセフにとっての2012年
厳しい環境の中、みなさまのご支援で

【2012年12月31日 ニューヨーク発】

2012年は、大規模な人道支援活動を必要とする状況が生まれた一方で、世界的な経済危機から必要な資金を確保することが出来ず、ユニセフとパートナー団体にとって、困難の多い年となりました。

しかし同時に、大きな成果もありました。特に、感染症や子どもの死亡率の改善に、大きな進展が見られました。

感染症と子どもの死亡率との闘い

大きな進展が見られたのは、ミレニアム開発目標4の達成に向けた取り組みでした。1990年時点で年間1,200万人以上だった5歳未満児の死亡数は、2011年には年間690万人に減少したことが確認されたのです。

1990年の数字と比較すると、一日あたり1万4000人も子どもの死亡数が減ったことを意味します。

HIV/エイズとポリオの根絶まで、もうあと一息のところに来ています。国際社会が打ち立てた、2015年までにHIVの新たな感染を無くすという目標の達成への動きが、加速しています。(技術や援助手法の発展で)以前より投薬が簡単になったこと、そして、母子感染を予防する様々な取り組みが成功しているのです。

昨年9月には、潘基文国連事務総長の呼びかけで、この20年で最も重要な、ポリオの根絶に関する会議が開かれました。ポリオは、現在でも、アフガニスタン、ナイジェリア、パキスタンの3国で蔓延しています。しかし、感染率は、1988年から2011年の間に99パーセント削減されました。

© UNICEF/NYHQ2012-1321/Zaidi
パキスタン シンド州ジャコババードで、給水支援で手に入れた安全な水を運ぶ女性。洪水被害を受けたシンド州では、5万8,600人以上が、毎日、飲料水の支援を受けている。

この会議では、世界の主導者が、ポリオの根絶のために努力することを、改めて約束したのです。

「今後数ヵ月から数年の間にポリオを根絶できなければ、私たちは、将来、人類の歴史上、厳しく問われる世代になってしまうでしょう」 ユニセフのアンソニー・レーク事務局長はこう話しました。

パートナーシップ

2012年は、革新的なパートナーシップが始まった年でもありました。ユニセフが提唱する“あの約束を再び(A Promise Renewed)”キャンペーンが、6月にスタート。それ以降、世界の半数以上の国が署名し、約束を果たすべく一層の努力を誓いました。

ユニセフは、また、発育阻害(スタンティング)に陥っている1億650万人の5歳未満の子どもの問題に立ち向かうべく、世界30ヵ国、世界的なリーダー27名、100以上の団体と共に、栄養問題を啓発する運動の拡大に尽力しました。

子どもたちの命と成長への支援

2012年、ユニセフは、さまざまな人道危機の現場で、子どもたちへの支援を展開してきました。

シリアでは、100万人以上の子どもたちが影響を受けました。ユニセフは、シリア国内で被災した子どもたちに支援物資を急送した他、周辺国へ避難した20万人以上の子どもたちへの支援も実施しています。(シリアの最新情報はこちらをご覧ください)

サヘル地域の干ばつ危機への支援活動は、最も大きな課題のひとつでした。この地域の180万人以上が食糧危機に直面。推定110万人の子どもたちが、命の危険にさらされました。中には、武力紛争や避難生活、コレラの流行によって食糧危機がさらに悪化した国もありました。2012年9月末までに、ユニセフは、73万人以上の重度の栄養不良の5歳未満児に、命を守る治療を支援しました。(みなさまのご支援の成果に関する報告は、こちらをご覧ください)

© UNICEF/NYHQ2012-1290/Romenzi
シリアのアレッポで。悪化する武力紛争により、子どもたちは大きな被害を受けている。ユニセフは、シリアだけでなく、周辺国に避難している子どもたちにも緊急支援を行っている。

パキスタンでは、洪水と政情不安の影響を受けた10万人以上の子どもと女性を支援し、様々な形のリスクから保護する活動を展開しました。

2012年、国内避難民の数が2009年以降最多となったコンゴ民主共和国では、再発した武力紛争の中で人道支援活動を展開。離れ離れになった3,000人以上の子どもたちが、家族や保護者との再会を果たしました。

そして、南スーダンでは、独立後僅か1年の間に、政治的な緊張が高まり、難民が流入し、民族間紛争も勃発。ユニセフは、35万人以上の子どもたちに安全な水やトイレなどの衛生環境を提供するなどの緊急支援を実施しました。

「子どもの命と成長を守り、女の子が持っている可能性を最大限に生かすことができるような環境づくりの支援、暴力や搾取からの子どもの保護、予防接種、ポリオの根絶、命を守るための支援物資の確保、また、様々な“前進”を加速するために、多様なパートナーシップのさらなる構築など、ユニセフは、日々、本当に多くのことを成し遂げています。そんなユニセフを、誇りに思っています」(アンソニー・レーク事務局長)

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