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ユニセフ協会からのお知らせ

法改正を求め、全国会議員に働きかけ

【2013年1月29日】

昨年末の衆議院選挙を受け、日本ユニセフ協会は、改めて国会に「児童買春・児童ポルノ禁止法」の早急な改正を求めるため、下記内容の文書を全国会議員に送付いたしました。

2013年1月吉日

公益財団法人 日本ユニセフ協会
代表理事 会長 赤松 良子

「児童買春・児童ポルノ禁止法」の早急な改正について(お願い)

拝啓 寒冷の候、益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。

平素はユニセフおよび日本ユニセフ協会の活動にご理解とご協力ご支援を賜り厚く御礼申し上げます。当協会は、国連児童基金(ユニセフ)本部の付託を受け、日本国内においてユニセフを代表し、広報、募金、ならびに子どもの権利を守る為の政策提言活動を行っております。

国際社会がその根絶に取り組んでいる「児童ポルノ」は、子どもへの性的虐待というおぞましい犯罪現場の記録映像にほかなりません。当協会は1997年より本問題に取り組み、「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律」(平成十一年五月二十六日法律第五十二号)が1999年に超党派の議員立法により成立し、2004年には一部改正されました。しかし、現行法は、急速な進化と普及を続けるインターネットを通じて世界的に深刻化する本問題に対応しきれていない現実に直面いたしております。というのも、児童ポルノの製造や販売、他人への提供、即ち「供給側」の行為は罰則の対象としているものの、それと表裏一体の関係にある「需要側」の行為、つまり、他の多くの国々では既に厳罰の対象となっている児童ポルノの「購入」や「入手」、そしてコンピューターのハードディスクなどでの蔵置などのいわゆる「単純所持」は、現行法上、何らの罪も問われない状態なのです。G8中、こうした状況が放置されているのは、日本とロシアのみという状況です。

児童ポルノの問題は、決して海の向こうの話ではありません。警察庁発表では、2012年度上半期の国内の児童ポルノ事件の送致件数は、前年同期比19.9%増の764件。検挙者数も37.2%増の612人と過去最多を記録。被害が確認された児童は596人、うち未就学児を含む小学生以下は319人と、被害者の過半(53.5%)を占める悲惨な状況に至っています。

「あの写真がどうなったのかを考えると恐ろしくて…リストカットや自殺未遂を何度も繰り返しました」、「児童ポルノが簡単に手に入る世の中では私はとても過去を忘れることはできません。自分の人生は終わってしまったように感じます。もし、世の中を変える力のある人がいるのなら、どうか私を助けてください」これらは、私どもの元に寄せられた被害者の声です。

2009年の通常国会において、当時の与野党のみなさまのご努力により、「単純所持」規制を含めた法改正が審議されましたが、衆議院解散のため、あと一歩のところで実現に至りませんでした。あれから3年余、いや、この問題が最初に議論されはじめてから既に14年もの月日が過ぎてしまいました。

2009年の国会審議を巡っては、新聞各紙が、その社説等で「単純所持」規制を含む法改正は“待ったなしである”と訴えられました。ご参考までに、本信にその一部を各紙のご承諾をいただき添えさせていただいております。また、2010年に、当協会が全国知事会はじめ90を超える団体等のみなさまと呼びかけた早急法改正を求める署名には、日本全国から、117万筆を超えるご賛同が寄せられました。内閣府が実施した世論調査でも、「単純所持」規制の必要性を認める声は、2002年時点で80%超。2007年の調査では90%を超えております。日本のみならず、世界の子どもたちを、性的虐待という最も悪質な子どもの権利侵害行為から守るために、児童ポルノの根絶を最優先とした本法の早急な改正は、国際社会の、そして日本国民の願いです。

一刻も早い「児童ポルノ禁止法」改正にご尽力頂けますよう、お願い申し上げます。

敬具

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