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財団法人日本ユニセフ協会
【マラリア:各国ストーリー】ソマリア
蚊帳を使ってマラリア予防〜ユニセフの取り組み〜
死亡原因のグラフ
ユニセフ現地スタッフで医師のアブディノールさんは住民が蚊帳を正しくつるすことが できるかどうか、一軒一軒確認して回る。

マラリアを知らない人はソマリア中どこを探してもいないでしょう。 とりわけ、マラリア汚染地帯と言われている中南部の川沿いの町に暮らす人々は、 この疫病に何世紀もの間苛まれて続けています。

マラリアにちなんだ町の名前もあります。 たとえば、「ブアレ」という町。 ブアレとはソマリ語で、「大きなお腹」という意味です。 お腹が膨れている人たちが昔から目立って多いことから、この名が付けられたと伝えられています。 腹部の膨張はマラリアの典型的な症状なのです。

2004年、グローバルファンド(エイズ・マラリア・結核対策基金)は、ソマリアでの マラリア対策強化プログラムを開始し、殺虫剤を染み込ませた防虫効果の高い蚊帳の全国的な普及を目指しました。あれから3年、プログラムの成果は洪水が頻繁に起こる地域や川沿いの地域で顕著に現れています。

医師でもあるアブディノールさんはユニセフのスタッフでグローバルファンド(エイズ・マラリア・結核対策基金)のコーディネーターです。 ソマリアの中南部の地域における、マラリア対策を担当しています。

マラリア予防は地域住民とともに
ユニセフ現地スタッフで医師のアブディノールさんは住民が蚊帳を正しくつるすことが できるかどうか、一軒一軒確認して回る。

© UNICEF Somalia/0307/CSZ Office
ユニセフ現地スタッフで医師のアブディノールさんは住民が蚊帳を正しく吊るすことができるかどうか、一軒一軒確認して回ります。

地元住民を巻き込んで、蚊帳を使うことの重要性について、地道な啓蒙活動を続けています。 アブディノールさんは、マラリアや、マラリア予防についての知識がなかった住民たちの予防に対する意識が変わっていくようすをつぶさに見てきました。

「一人の高齢のご婦人が、予防の大切さを理解し、蚊帳をちゃんと使っているのを知り、本当に嬉しかった。興奮しましたよ。 婦人は私にありがとうと、 ユニセフに感謝していると言ってくれました。このときのようすをビデオに収めて、 同僚たちに見せたいくらいでした。」

2006年1月、ユニセフはソマリアに、ACT療法というマラリア治療を導入するのにともない、 保健員への研修を手厚く行いました。 

保健員への指導は、 アブディノールさんの重要な仕事の一つです。 ACT療法とは、アルテミニシンと抗マラリア薬の2種類の薬を使った治療方法で、 従来の治療方法と比べて高い効果が期待できます。 保健員への研修には啓蒙活動も含まれます。 小さな子どもや妊婦、そして大切な家族をマラリアから守るための予防のノウハウを、住民たちに分かりやすく説明することが求められているからです。

グローバルファンド・マラリアプログラムでは、5歳未満の子どもや妊婦に対して、 蚊帳を無償で提供しています。 市場に出回っている蚊帳は一帳4ドル。 ほとんどの人には買うことができません。

ユニセフで働き始める前の14年間、アブディノールさんは、民間の医療施設で医師として働いていました。「コミュニティの役にたてるユニセフの仕事にやりがいを感じています。 特に、長年、公衆衛生サービスが欠如しているソマリアのような国では困っている住民たちが たくさんいるのです。 人々が私を必要としていると思うと、もっとがんばらなきゃと思うのです。」

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