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財団法人日本ユニセフ協会
【寄生虫:各国ストーリー】東ティモール
寄生虫駆除で栄養不良予防
死亡原因のグラフ
東ティモールの小学校学生は、虫下しのタブレットを飲みます。

© UNICEF Timor-Leste/2005/See
東ティモールの小学校学生は、虫下しのタブレットを飲みます。

東ティモールの多くの子どもが栄養不良です。 4割の子どもたちが低体重で、半分近くの子どもたちが発育不良です。 寄生虫が子どもたちの健康を蝕んでいるからです。

「寄生虫は食べもの消化吸収を阻害します。 何匹もの寄生虫に感染している子どもたちはおなかが腫れ、痛みや下痢に苦しみ、学校で集中できないでいます。」 ユニセフの水と衛生プログラムのアシスタントオフィサーは言います。

寄生虫駆除は、安くて効果のある予防手段です。 ユニセフは最近、小中学校の子どもたちを対象に、寄生虫駆除の治療をテスト的に実施しました。

ユニセフの保健員は、子どもたちに虫下しを飲ませました。また、どれだけの子どもたちが 寄生虫に感染しているかを見極めるために便のサンプルを集めました。

2000人の子どもたち、寄生虫に「バイバイ!」
ヨードが添加されているかどうか,塩をチェックする生徒たち タシケントの中学校

© UNICEF Timor-Leste/2005/See
寄生虫駆除プロジェクトのおかげで、クリスティーナちゃん(後列右)と彼女の兄弟は、現在寄生虫に感染していません。

クリスティーナちゃん(6歳)は、最初に虫下しを飲んだ後、出てきた寄生虫を見てびっくり仰天。3度目に薬を飲んだ時には17匹が出てきました。

アゴスティン君(13歳)からは8匹の寄生虫が出てきました。「いつもおなかがすいていたけれど、最近はそんなこともない」と言います。 寄生虫駆除プログラムが始まって一月、結果的に2000人の子どもたちの体から寄生虫を完全に駆除しました。

寄生虫感染は、子どもたちに清潔な飲み水や適切な衛生施設を与え、トイレのあとには手を洗うなどの習慣を教えるなどすることによって、予防できます。

この問題解決には予防が欠かせません。 ユニセフは農村地域で、安価なトイレの普及にも努めています。

ガーナ:450万人の子どもたちが寄生虫駆除を受ける

ガーナの教育庁と保険庁はユニセフの支援を受けて、この一週間を国家寄生虫駆除の週間とし、今日全国的なプログラムをキックオフ。小中学校の子どもたち全員を対象に治療を行った。

ガーナ地図

2月12日〜16日、2万8千の公立学校の生徒たち450万人が土壌から感染する寄生虫駆除の治療を受けます。 こうした寄生虫感染は子どもたちにありとあらゆる深刻な健康問題を引き起こし、学校に行けなくなったり、授業に集中できなくなったりします。

子どもたちは、寄生虫駆除の薬の扱いの訓練を受けている保健の先生によって治療をうけ、 寄生虫の怖さについて説明を受けます。

このプログラムは年に二回の実施を目指していて、2回目の実施は、年末に行われ、 水から感染する寄生虫の駆除も含まれます。

■寄生虫病感染は子どもたちの健康と学校での成績に大きく影響します。

寄生虫は子どもが成長するのに、また健康を維持するのに欠かせない、鉄分などを吸収してしまうため、貧血症や栄養不良を引き起こすのです。 慢性的な寄生虫病は、知能障害や発育障害をもたらします。 最も深刻なケースでは命を落とすこともあります。

「寄生虫駆除は、生徒の学業パフォーマンスに大きく貢献することは間違いありません。 教育、科学スポーツ省大臣は言います。 途上国の5歳から14歳の子どもたちのかかる病気の12パーセントが寄生虫によるものです。 ガーナでの、最も一般的な寄生虫病は、他の国と同様、ラウンドワーム、ウィップワーム、フックワームによるものです。

はじめの2つについては、子どもたちは、寄生虫のたまごに汚染された食べ物によって感染します。 3つめについては、子どもたちがはだしで歩いている最中に土壌にいる寄生虫が子どもたちの皮膚から身体に侵入します。

衛生的な習慣は寄生虫感染を予防します。 保菌者が外で排泄すると、その便の中には寄生虫の卵があり、それが土壌や水の中で育つのです。

穴を掘ったトイレを使い、食事の前、それにトイレに行った後によく手をあらい 果物や野菜をよく洗って食べるという習慣は、寄生虫の伝染に歯止めをかけるための重要な習慣です。

ある研究は、定期的な寄生虫駆除によって、小学校の出席率と子どもの学習能力が相当上昇したことを裏づけています。

複数の途上国で実施した調査によると、土壌と水から感染する寄生虫予防でかかるコストは5年間で、1人の子どもに対して50セント以下、土壌の寄生虫感染予防だけだと、25セント以下となっています。

症状は、寄生虫のタイプにもよりますが、もっとも一般的な症状は、食欲不振、腹部の腫れや痛み、咳、熱、吐き気、下痢、だるさなどでです。

寄生虫駆除実施週間の間、全国28,000人の学校の先生が、感染の発見とその治療についての知識を学びました。 全ての学校に、寄生虫駆除の飲み薬や清潔な飲み水、その他の必要機材が提供されました。

2月12〜16日まで、地域の保健員が学校での寄生虫駆除の実施を観察します。2月12日、全国規模で、文部大臣、それに教育庁官、保健庁官が学校を訪問します。

ガーナの寄生虫駆除プログラムは、教育庁の学校保健教育プログラムの一環として行われています。 

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