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財団法人日本ユニセフ協会
【栄養知識:各国ストーリー】グアテマラ
「栄養不良をなくせ!」立ち上がる女性たち
死亡原因のグラフ
ニジェール影響力を持つ 屈指の宗教指導者、アブドゥー・バラ・マラファ首領。

© UNICEF Guatemala/2007/Arteaga

グアテマラのアティトラン湖周辺には、先住民族の人たちが暮らす小さな村々が存在します。 収入を得る手段があまりないため、村の多くの住民が貧しい暮らしをしています。女性や子どもたちは しばしば、病気や慢性的な栄養不良におちいっています。

サン・パブロ・ラ・ラグーナ村。 一軒の家の屋根の下に女性たちが集まっています。 ”健やかな成長”という名の女性グループが、月例のワークショップを開いています。 村の女性たちに、どうしたら暮らしを良くすることができるかを教えています。

ユニセフが支援するこの女性グループ、”健やかな成長”は、 生活に役立つ様々な知恵を村の女性たちに伝えています。 中でも最も重視しているのが、「栄養」です。

お母さんたちがコミュニティーのリーダーに
ユニセフニジェール事務所のマリアマ・モウリマさん。首領たちとともに女性と子ども福祉を向上するためのキャンペーンを展開しています。

© UNICEF Guatemala/2007/ Arteaga
「“健やかな成長”は、お母さんたちに栄養の知識を伝えるためのグループです。」 コーディネーターのマリアさん。

”健やかな成長”の重要な役割の一つは、お母さんたちを地域のリーダーにすることです。 お母さんリーダーたちにそれぞれのコミュニティーで、栄養についての知識を広める役割を 担ってもらうためです。

「ワークショップでは毎日の暮らしに役に立つ様々なことを教えてくれます。」 お母さんリーダーの中で一番若い、21歳のチョニータさんは話します。 チョニータさんのようなお母さんリーダーたちは、コミュニティーの家々を一軒一軒訪問し、その家の赤ちゃんが健康かどうかチェックします。 赤ちゃんの体重を量って、その子が十分な栄養を与えられているかどうか観察します。 お母さんが、間違った方法で食事を与えていたりした場合、適切な方法を指導します。

「“健やかな成長”は、そもそも、栄養バランスのとれた食事の作り方を女性たちに教えるためのグループとしてスタートしました。」 お母さんリーダーたちを束ねるコーディネーター、マリアさんは 話します。 「例えば豆、一般的に出回っている食材で、栄養満点です。 どのような食材をどのように調理すれば、家族が栄養をきちんととることができるのか。その知恵を伝えることから始まりました。」

山積する多くの課題・・・

グアテマラのユニセフ代表のマヌエル・マンリケさんは、栄養不良はサン・パブロ・ラ・ラグーナ村だけの問題ではないと指摘します。 「グアテマラでは、多くの子どもたちが慢性的な栄養不良に陥っています。身体も知能も十分に発達できないという危険にさらされています。」

「”健やかな成長”は、多くの女性たちに、栄養や家族の健康についての知識をあまねく普及することを目指しています。」

家族の暮らしを支えるために織物工場などに働きに出ている女性たちに対する啓蒙も重要です。 こうした女性たちは自分自身の健康を二の次にしがちであるため、 栄養不良であるケースが多いのです。 そのため、赤ちゃんに十分な母乳を与えることができません。

栄養不良が恐ろしいのは、世代から世代に引き継がれることです。栄養不良のお母さんから生まれた赤ちゃんは栄養不良になるからです。

栄養の改善で暮らしに変化

けれど、少しずつ、明るい兆しも見えてきました。 「プログラム開始前は栄養不良の子供たちはもっとたくさんいました。 でも、今ではその数は減りつつあります。私たちの取り組みによる成果が徐々に現れてきたのだと実感しています。」 “健やかな成長”のスタッフ、マリアさんは誇らしげに語ります。

「次のステップは、もっと多くの女性たちに自尊心を持って自分自身の健康を気使うようになってもらうことです。 自分を愛してあげることが、子どもを守る上でどんなに大切なことかを彼女たちに話続けています。」

サン・パブロ・ラ・ラグーナ村の女性たちがもっと自分たちに自信をつけたなら、もっと自分たちの暮らしを変えようとする強い意志を持てるでしょう。 そして自分の子どもたちの健康と暮らしがより良いものになることへの希望を与えるでしょう。

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