メニューをスキップ
財団法人日本ユニセフ協会

<< 特集トップへ戻る

ユニセフの仕事で世界中を回るなかで、わたしは子どもたちを脅かすたくさんの病気を見てきました。エイズ、この病気はごく最近見たものです。一人の親として、エイズは子どもたちに伝えるには難しい病気だと理解しています。けれど、もし、私達が子どもたちにHIV感染から身を守る情報という鎧をまとわせてあげられなければ、もっとも愛しい子どもたちを、恐ろしい、そして不必要な感染の危険にさらすことになるのです。もちろんご承知のことでしょうが、エイズ教育は性教育と切り離せません。驚かれるかもしれませんが、子どもに情報を与えるのに最良の時期は、思春期の前。感染の危険に遭うかもしれないそんな行為について考えたこともないような時期なのです。なぜって、おとなが許すも許さないも、思春期の子どもたちは性行為に走ってしまうものなのですから。
(1992年)

雨が降り始めました。どこから見つけてきたのか、ダンボールやプラスチックの切れ端や枝で作られただけの小さな小屋。今朝は雨でたくさん死んだ、という知らせを聞くかもしれません。2晩前、食糧配給センターでは60人が亡くなりました。雨のせいで、昨夜、その数は100人を超えてしまいました。寒さと雨の中では、人びとは本当にか弱いものなのです。
(1992年ソマリア)

私の周りにいつもあったもの、きっと生まれたときからずっとでしょう、それは、大きな人びとの愛です。子どもたちです。小さい頃から、子どもたちが大好きでした。市場で乳母車の赤ちゃんをだっこしようとして、いつも母を困らせたものです。私が人生で夢見たことのひとつは、自分自身の子どもを持つことでした。いつも突き詰めると同じところに帰ってきます。それは、愛を受けるだけではなく、私自身がだれかに愛を与えたい、というどうしようもない渇望でした。
飢餓と紛争が何百万もの親を殺してきました。子どもたちは、母と父だけが与えられるケアも愛情も安全も奪われて生きています。
なぜ? この子どもたちを守ることができる、それも安価な方法が、確かにあるのに。

なぜって、彼らは子どもなのだから。すべての子どもは健康に育ち、教育と保護を受け、そして優しさの中に生きる権利を持っているのです。
(Audrey Hepburn : In her own words)