
「赤ちゃんにやさしい病院」イニシアティブ
いわゆる「粉ミルク」などの人工乳は、先進国のみならず、今では多くの途上国でも、お金さえあれば、容易に手に入るようになりました。しかし、清潔で安全な飲料水を入手できる人の数はまだまだ限られています。また、多くが1日1ドル未満の生活を余儀なくされている状況の中で、そうした人工乳を買い続けることは容易なことではありません。
一方、母乳は赤ちゃんにとって必要な全ての栄養素を供えた「完全食品」と言われています。成長に必要な栄養素のみならず、様々な病気やアレルギーから赤ちゃんを守る免疫物質も含まれています。また、授乳時にお母さんと触れ合うことで、赤ちゃんの精神的な発達にも大切な影響を与えているとも言われています。
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© UNICEF/ HQ05-1224/Roger LeMoyne |
さらに、母乳による育児は、お母さん方の身体を守る役割も果たしています。
母乳育児には、次の妊娠を抑制する効果があります。
妊娠・出産によって疲れた母体が、次の妊娠に必要な体力を十分回復するまでの間、お母さんの身体を、妊娠のリスクから守ってくれるのです。
(途上国の妊産婦死亡率の高さの陰には、こうしたことも背景にあるのです)
ユニセフと世界保健機関(WHO)は、こうした母乳育児を中心とした適切な新生児ケアを推進するため、全世界で「赤ちゃんにやさしい病院」イニシアティブを展開し、長期にわたって母乳育児に積極的に取り組み、認定審査に通過した施設を「赤ちゃんにやさしい病院」に認定しています。
現在、134カ国15000の病院が「赤ちゃんにやさしい病院」に認定されています。
日本国内では、ユニセフから認定審査業務を委嘱された「日本母乳の会」が、その審査(現地審査も含む)を行い、ユニセフへの認定申請を行っています。

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