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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

チャド: HIV母子感染予防への取り組み


【2009年3月17日 チャド発】

© UNICEF/NYHQ2007-0263/Pirozzi
チャド東部の避難民キャンプにいる母親と子ども。紛争や政情不安により、多くの人々が避難生活を強いられている。

HIV母子感染予防と小児医療に関する会議が、今月(2009年3月)、チャドの首都ンジャメナで開かれました。政府関係者や医療関係者、コミュニティや宗教界の指導者らが参加したこの会議では、高いHIV母子感染率を改善するための方策が議論されました。

2007年現在、チャドには、HIVと共に生きる妊婦が約1万8,000人存在します。HIVと共に生きる子どもの大多数が、HIVに感染した母親を介しHIVに感染しているのです。

ユニセフと世界エイズ・結核・マラリア基金が開催したこの会議では、HIVと共に生きる女性と子どもたちを特定し、治療を受けさせるための方策に、焦点が当てられました。

「この会議のテーマに、誰も無関心でいることはできないはずです。HIV/エイズの問題は、私たちの大切な人々、子どもたちと母親の健康に関わっているのですから。」ユニセフ・チャド事務所のマルツィオ・バビル代表は、会議の中でこのように訴えました。

無償の治療だけでは足りない・・・
© UNICEF Chad/2009/Saleh
政府関係者、医療関係者、市民社会の代表者、コミュニティのリーダーなどがHIV母子感染やHIVに感染した子どもへの医療支援について話し合うため、チャドの首都ンジャメナで開かれた会議に出席した。

チャドでは、制度的枠組みが整い、HIVとの戦いにかなりの前進が見られました。例えば、無償の母子感染予防(PMTCT)プログラムの導入です。この他にも、HIV感染検査と抗レトロウイルス薬治療が無償で提供されています。

こうした取り組みにもかかわらず、HIV感染検査を受ける妊婦は非常に限られています。また、この無償のPMTCTプログラムを利用している人はほとんどいません。

この結果、毎年何千人もの子どもたちが、予防手段があるにも関わらずHIVに感染してしまっているのです。2007年現在、1万9,000人のチャドの子どもたちがHIVと共に生きています。

診断と治療を必要とする全ての人々に

「子どもたちに罪はありません。子どもたちは死ぬために生まれてくるのではないのです。」バビル代表はこのように述べ、2001年にアフリカのリーダーたちによって採択された「アブジャ宣言」の取り決めを、改めて実行に移す計画の策定を呼びかけました。「アブジャ宣言」は、2010年までに特に子どもと女性たちのHIV感染予防サービス、ケア、支援、治療への普遍的なアクセスを実現することも含まれています。

今回開催された会議では、HIVに感染している母親から生まれる子どもへの早期診断の確保や、HIVに感染した子どもたちに対する抗レトロウイルス薬治療の早期開始の確保に、サービスを必要とする人々が住むコミュニティの参加を促してゆくことの重要性が強調されました。

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