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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたちは今

マラリア対策にユニセフと日本政府が力を合わせる

【2008年8月18日 コートジボワール・アボボ発】

ジェリカさん(6歳)とその家族
© UNICEF Cote d’Ivoire/2008/Westerbeek
コートジボワールにあるアボボ病院に入院しているジェリカさん(6歳)とその家族。ジェリカさんは幸いにもマラリア治療を受けることができ一命をとりとめた。

ジェリカ・マリコさん(6歳)は、昏睡状態から目を覚ましました。病院に入院してからすでに2日。彼女の両親は、病気で倒れたジェリカさんを真っ先に病院に連れて来ました。そのとき初めて、娘がマラリアに感染していることを知ったのでした。昏睡状態から目を覚ましたジェリカさんに、両親は大喜び。

「娘が体調を崩したのは、わずか4日前のことでした」と、ジェリカさんの母親は話します。「娘は、頭が痛いと言い、身体もすごく震えていました。そうこうするうちに、娘は意識を失ってしまいました。今までにないことだったので、本当に怖かったです。」

コートジボワールにおいて、マラリアはとても一般的な病気。特に、マリコ一家が暮らしているアボボ地域ではよく見られる病気です。コートジボワールでは、殺虫処理された蚊帳の中で寝ている子どもたちはわずか6パーセント。

「娘は、こんなにひどいマラリアにかかったことはありませんでした」と3人の子どもの母親は言います。ひとりの子はすでに亡くなっています。地元の医師によると、おそらくマラリアが原因であろうとのことです。

十分な保健ケアを受けること

マラリアで子どもを失っているのは、マリコ一家だけではありません。2006年、コートジボワールは、5歳未満児死亡率の高さで言うと世界第26位。いまだにマリコ一家の子どもたちは蚊帳の中で寝ていません。

マラリアの兆候が見られると、コートジボワールの多くの家族は、お金のかからない自宅でできる治療法を選びます。マラリアに感染し、高熱で苦しむ5歳未満児のうち、実際に抗マラリア薬を受けることができるのは、わずか36パーセントにすぎないのです。

そういう意味ではジェリカさんは幸運でした。ジェリカさんの両親は、ジェリカさんを学校に行かせるほどの余裕はありませんが、少なくとも、何らかの稼ぎはあります。そこで、蓄えをつぎ込んで、ジェリカさんを病院に連れて行ったのです。病院に連れて行くか否かで、多くの子どもたちの運命——生死——が決まります。

マラリアは特に妊婦にとって危険な病気となりかねません。貧血や早産の原因になったり、子どもが低体重で生まれてくる可能性があるからです。

日本政府からの支援

ここ数年、ユニセフと日本政府は、コートジボワールの子どもとその家族たちへの感染症の影響を少なくするため、力を合わせてきました。日本政府は5年間にわたり、40万人の子どもたちの命を守るため、保健事業——例えば、殺虫処理済みの蚊帳を妊婦や子どもたちに提供するなど——の支援を行うことになっています。

今年5月、ユニセフは、第4回アフリカ開発会議(TICAD IV)が開催された横浜市で、「『アフリカ子供白書2008 ——子どもの生存——』を世界同時発表しました。日本の小野寺五典外務副大臣は、この記者会見で、「国際社会は、子どもの生存を守るための努力を支えていかなければならない」と、述べました。

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