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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

≪2003年2月26日掲載≫

アマゾン地域の子どもたちに出生登録を
<エクアドル>

焜}リア・ナジャムタイはエクアドルのアマゾン地域ヤサヌカ村に住んでいます。子どもが4人。8歳、7歳、5歳、3歳の子どもたちです。夫は手工芸で身を立て、彼女自身は洗濯を請け負って仕事としています。子どもたちは出生登録されていないので、学校に行っていませんし、彼女自身も、ほんとうはエクアドル政府から貧困家庭に支給される補助金を受け取れるはずなのですが、身分証明書がないので受け取ることができないでいます。

焜Aマゾン地域に住む先住民族の人たちは、エクアドル国民として認めてもらえるよう、登録を推し進め、がんばっています。シュアル村とアチュアル村の人たちのほとんどは、人口動態統計局に登録されていません。住んでいるところが統計局から遠すぎたり、登録料がかかるからです。シュアル村とアチュアル村の村長たちはユニセフにどうにかしてほしいと訴えてきました。そこで、ユニセフではモロナ・サンチャゴ州の人口動態統計局と討議し、ユニセフがサンチャゴ川流域で行っている「維持可能な開発プロジェクト」の枠組の中で、移動登録隊を設置することで合意しました。移動登録隊は、コミュニティからコミュニティへと調査しながら、12歳までの子どもを登録していくことになっています。

烽ワずは村長が村人たちを集めます。ヤサヌカ村の場合はローマン・チキがその役割を担います。次に、子どもたちをきちんと登録した場合、大きくなったときにどのような恩恵があるのか、村人たちに説明がなされます。もちろん、移動登録隊が、登録を行うために必要となる条件などを説明します。村の数は266。ひとつの村には約300人の住民がいます。

焜c鴻i・サンチャゴ州の人口の50%以上は孤立した地域に住んでいます。それでも、人びとはこの登録のプロセスに参加することに熱心で、移動登録隊が来ると喜ぶのだ、とローマン・チキは言います。

焉u村によっては湿地帯の中を2日歩かないとたどりつけない所もあります。炎天下と激しい雨の中を歩いていかないとならない所もね。飛行機でしか行けない場所もあります。タイシャという場所にたどりつくには、まず飛行機に乗り、その後1時間以上、舗装されていない道路を歩き、さらにモーターボートに乗っていかないとたどりつけません。おまけにこれらの地域では、きれいな水、電気、下水路、電話サービスといった基礎サービスが行き届いていないのです」

焜Tンチャゴ・デ・メンデスの市長、ラファエル・ルイズは、この郡では出生登録が行き届いていないため、どれだけの人たちが住んでいるか正確に把握できていないと言います。そのため、本来人々が必要としている支援が充分に行きわたっていないのだ、と 。

焜香[マン・チキにとって、村の子どもたち全員を登録することは大変なことなのですが、一度登録してしまえば、子どもたちはエクアドル国民としての権利を保障されるのだから、大きな前進になる、と考えています。

焉u子どもたちには学校に行ってもらいたい、そして仕事をしないですむようにしてあげたい」とマリアは言います。

ユニセフ・キト事務所
パズ・イバル、2003年2月12日

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