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世界の子どもたち

<2005年6月21日 信濃毎日新聞掲載分>

目をそむけず光を
<緊急事態>

スーダンの避難民キャンプで治療用ミルクを飲む栄養不良の男の子

世界のいくつもの国で大勢の子どもたちが紛争、干ばつや洪水などにより命をおびやかされています。武力紛争によって家を焼かれ、残虐行為に震えながら暗闇の中を逃げ続ける子どもたち。水も食べ物もなく、飢えや病気に苦しみながら必死に生きようとしている子どもたち。混乱の中で、親や家族とはぐれてしまった子どもたち…。そのほとんどがアフリカを中心とした、世界で最も貧しい地域の子どもたちです。

ウガンダでは18年にもおよぶ紛争の中で子どもたちは暴力の対象とされ、常に恐怖と隣り合わせの生活を送っています。ウガンダ北部の夜間避難児と呼ばれる数万人の子どもたちは、毎日夕方になると家や村から逃げ出し、学校や病院、教会などに集まってきます。夜、家にいると武力勢力にさらわれ、男の子は兵士に、女の子は性的奴隷にされてしまう危険があるからです。安全な場所で身を寄せ合って眠り、朝になったら再び家に戻る…そんな生活を送る子どもたちのため、宿泊施設の警備の強化、毛布やフェンスなどが必要です。

「史上最悪の人道危機」といわれる激しい紛争が起こったスーダン・ダルフールでは、過去18カ月間に18万人が飢えと病気で命を落としました。避難民キャンプには、安全な水、医薬品、食べ物、トイレなどすべてが不足し、子どもたちは今、深刻な飢えに苦しんでいます。そのためユニセフは抵抗力の弱い子どもたちを危機から救うため、給食センターを作ったり、水を得るための井戸を掘ったり、医療器具や薬の提供など懸命の救援を続けています。

わたしたちの命を支える源である安全な水。しかし開発途上国では、5人に1人の子どもが安全な水を利用することができません。特に緊急事態の下では、汚染された水によって下痢になり、脱水症で命を落とす子どもが急増します。

このような脱水症から子どもたちを1袋7円弱のORS(経口補水塩)が守ります。このORSを溶かして飲むためには安全な水が必要ですが、水4〜5リットル用の浄水剤を64円で50錠を届けることができます。また、食事を満足にとることのできない栄養不良の子どもたちを救うのは1箱65円の緊急栄養補助ビスケットです。今ここに、薬があれば、水や食べ物があれば、助かる命がたくさんあるのです。

貧困撲滅や開発の数値目標を定めた国連ミレニアム開発目標の中間報告書によると、1日1ドル以下で暮らす「極端な貧困層」の人口は、アジアでは1990年の9億3600万人から2001年には7億300万人と大幅に減少しているものの、逆に、アフリカでは2億2700万人から3億1300万人に増加しているといわれています。大きな災害の陰で、新聞やテレビではほとんど報道されることがない「忘れられた緊急事態」。そこでは何百万という子どもたちが命を脅かされるほどの深刻な状況にさらされているのです。

日本ユニセフ協会では現在、アフリカを中心に、緊急支援を必要としている30以上の国の子どもたちへの支援を呼びかけています。遠い国の苦しい状況の中の子どもたちは、過去のものではなく、今まさに懸命に生きようとしている子どもたちなのです。目を向そむけずに、光をあててください。子どもたちは生きる力を得ることができるでしょう。

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◇ 募金のお願い ◇

財団法人日本ユニセフ協会では、スーダン・ダルフールなどアフリカの子どもに対するユニセフの緊急援助を支援する「アフリカ緊急募金」の受付を行っています。皆様のご協力をよろしくお願い致します。

アフリカ緊急募金

郵便振替:00190-5-31000

口座名義:財団法人日本ユニセフ協会

*当協会への募金は寄付金控除の対象となります。

*通信欄に「アフリカ緊急募金」と明記願います。

インターネットからも募金を受け付けています。
(https://www.unicef.or.jp/bof/bo.html)

お問い合わせ先:
財団法人日本ユニセフ協会 協力事業部
TEL:03-5789-2012 FAX:03-5789-2032

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