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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

生活改善「国会」で大人に提案

子どもたちは、どんな国のどんな社会の中に生まれようと、みんな守られ、教育を受け、安全で健康に成長する権利を持っています。そして同時に、その社会の一員としての主体的な権利行使を保障されています。こうした子どもの権利を定 めた「子どもの権利条約」が国連総会で採択されたのは、1989年11月20日のことでした。

同条約第12条「子どもの意見」は、子どもは自分に関係のあることに関して自由に意見を発表することができるとうたっています。条約採択から10年を経て、今学校で、地域社会で、紛争地で、子どもたちが少しずつ声をあげ始めています。

インドのティロニア周辺の村々では、子どもたちが運営する<子ども国会>が定期的に開かれています。子どもたちの中から選出された子ども議員は、村の生活改善のために、給水施設の設置や太陽エネルギーの開発など、子どもの視点で考えたさまざまな提案を行っています。時には、この子ども国会が学校の先生の評価をすることもあります。

サルガオン村出身の12歳になる議員プレム・デビちゃんは、ある教師についてこんな発表をしました。「あの先生の態度は、良くないと思うわ。いつも生徒のことなんかそっちのけで居眠りしたり、だれかとおしゃべりしてたり…。私たち、そんな先生は必要ないわ」

また、去る11月16日、ケニアの首都ナイロビでユニセフが主催した「ユニセフ子ども会議」に、隣国スーダン南部から40人の子どもが参加し、長く続く紛争の終結を国際社会に訴えました。

兄を兵隊に取られた少女グレース・ディンちゃんは「私は平和が欲しいの。平和さえあれば、学校にも行ける、ご飯も食べられる、お兄ちゃんも帰ってくるはず」と大人たちに語り掛けました。

「未来を担うはずの僕たちの前には、戦争が立ちはだかっている」。16歳のマルタ・アクル君の言葉には、ひとときも平和を体験したことのない子どもたちの怒りと悲しみが込められています。

子どもの権利条約が生まれて10年。ようやく子どもたちの間に市民社会の一員としての自覚が芽生え始めています。ユニセフは、その芽を大きく育てていくために、子どもの社会参加を支援しています。子どもたちの声は、未来の声。その声に真しに向き合うのも、私たち大人の大切な役目なのです。

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