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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

エチオピア:子どもが子どもを教える新しい試み

【2009年3月25日 エチオピア発】

© UNICEF/2008/Rana
「子どもから子どもへ」プログラムの一環として、子どもたちを教えるヤング・ファシリテーターのウェニシェちゃん。

ウェニシェちゃん(12歳)は、エチオピアのオロミア州にあるディマ小学校の6年生。彼女は、「小学校入学に向けて:子どもから子どもへ」アプローチと呼ばれるプロジェクトにボランティアで関わっている30人のヤング・ファシリテーターのうちのひとりです。

ユニセフが支援するこのプロジェクトは、エチオピアをはじめ6カ国で現在試験的に実施されています。年の離れた子どもたちの間に存在する社会的な関係を利用して、「遊び」の中に「学び」のエッセンスを取り入れながら、幼い子どもたちが就学前に小学校1年生になる準備ができるようにすることを目的としています。

ウェニシェちゃんは、地元のもうすぐ小学校に入学する5〜6歳の子どもたち5人から成る1クラスを受け持っています。

「遊び」を通した学習

© UNICEF/2008/Rana
ウェニシェちゃんが子どもたちを教えている小屋の前に立つ、ウェニシェちゃん(左)と母親のマサラットさん(右)、妹のインナットちゃん(中)。

ウェニシェちゃんの教室は、彼女のお父さんがビニールシートと木の枝を使って建てた小屋の中で行われていました。自分を囲むように座った子どもたちの前で、ウェニシェちゃんは、「子どもから子どもへ」アプローチ・プロジェクトの教材を使って、一週間の研修で学んだ活動を子どもたちに教え始めました。

子どもたちは、ねずみの数え歌を歌いながら笑っています。ウェニシェちゃんは、自信に満ちた様子で紙に書かれた文字を子どもたちに見せて、この数え歌を教育的な活動へと導いていきます。

「この子たちの入学準備のお手伝いができて嬉しいわ。」ウェニシェちゃんは語ります。

次に、捨てられていた瓶の蓋を使って、数を数えるゲームをしました。子どもたちは、正しい数の蓋取ろうと夢中になっています。ひとりの男の子が、数字を数えるのに手間どっていると、ウェニシェちゃんは、やさしくその子に腕を回し、もう一度やってみるように促しました。男の子は、二度目には正しい数の蓋を取ることができました。

ウェニシェちゃんの母親のマサラットさんは、こうした活動をしている娘を見つめながら誇らしげに微笑んでいます。

「この子たちには、私たちの時代には無かった素晴らしい機会が与えられていると思います。」マサラットさんはこのように話しました。

ピア・エデュケーション(仲間同士で教え、学び合う教育)の可能性

こうした「子どもから子どもへ」アプローチは、施設の建設などに費用がかかる従来からの就学前教育のやり方に対し、予算などの面でその導入がかなわない開発途上国において、特に意味を持っています。 ピア・エデュケーション(仲間同士で教え、学び合う教育)プログラムは、幼稚園などの就学前教育を受ける子どもが限られているエチオピアのような国で、大きな可能性を持っています。また、このプログラムを受けている全ての子どもたちが、次の年に小学校に入学し1年生になることによって、入学年齢を過ぎてから小学校に入学することの多いエチオピアの子どもたちの問題解決にも繋がっています。

このように、ピア・エデュケーションは、エチオピアですでに具体的な成果を挙げています。ユニセフは、ミレニアム開発目標達成のためにも、このようなプログラムの支援を継続していきます。

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◇ 募金のお願い ◇

 財団法人日本ユニセフ協会では、アフリカの子どもに対するユニセフの緊急援助を支援する「アフリカ緊急募金」の受付を行っています。皆様のご協力をよろしくお願い致します。

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