メニューをスキップ
HOME > 世界の子どもたち > ストーリーを読む
財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

ケニア:国中に広まる「子どもに優しい学校」

【2011年2月7日 ケニア発】

© UNICEF/Kenya/2011
ナイロビの小学校に通うンジョモ・ワイナイナさんとフリダ・ンジョギさんと一緒に、ケニアへの「子どもに優しい学校」の導入を記念する式典に参加するユニセフ・ケニア事務所のオリビア・ヤンビ代表(左)と、サム・オンゲリ教育大臣(中央)。

教育と学習の質を大きく向上させるため、ユニセフが提唱している「子どもに優しい学校」の概念を取り入れることを決めたケニア政府。その具体的な実施のための手引書が、この程完成しました。

ユニセフの支援で派遣された教育専門家の技術指導によって作成されたこの手引書は、先生方に、「子どもに優しい学校」の概念を効果的に取り入れるためのガイドラインが掲載されています。手引書の発表を祝う式典には、サム・オンゲリ教育大臣をはじめとする国会議員の他、ユニセフ・ケニア事務所のオリビア・ヤンビ代表も出席しました。既に「子どもに優しい学校」の概念を試験的に取り入れているナイロビの2つの小学校の子どもたちも、式典に招待されました。「『子どもに優しい学校』は、学校を格好いい場所にしてくれるのさ。学校ががらりと変わるんだ。」アヤニー小学校の子どもたちが、自分達で作ったこんな内容の詩を朗唱してくれました。

新たな体制

「子どもに優しい学校」の概念を取り入れた学校は、教育を受けるという子どもたちの基本的な権利を具体化するのみならず、将来にわたって直面するであろう様々な課題に子どもたち自身が対処できるよう、子どもたちが様々な技術を身に付けることを手助けする場所でなくてはなりません。心身の健康状態を向上させること。子どもたちが、暴力や搾取の心配をせずに、安心して勉強できる安全な場所を確保すること。教員のモラルややる気を高めること。一丸となって教育を支援するコミュニティを育てること。「子どもに優しい学校」は、全ての子どもたちに、安全で、安心できて、前向きになれる環境を提供する場所です。

ケニア政府は、子どもたちが意欲的に学ぶことができる学習環境を開発することを目的に、この事業を推進しているのです。

教育省では、子どもたちに質の高い教育を提供するため、コミュニティの人々が自らが住む地域の学校を支援するよう求めました。「我々は、子どもたちの生活のあらゆる局面に対処しなければなりません。精神的発達や肉体的発達、子どもの社会性を育てる環境にも配慮する必要があります。」

全ての子どもに教育の機会を

教育省によると、小学校の入学率は、学費が無料となった2003年の590万人から、今年は860万人に増えました。中学校に進学する割合も、43パーセントから72.5パーセントに増えています。

ユニセフのヤンビ代表は、「子どもに優しい学校」の概念を取り入れることによって、学校は、子どもたちの総体的な発達を促すことになると強調しました。また、公平性とアクセス、教育の質の問題についても訴えました。

「『子どもに優しい学校』には、教育に参加する機会の側面に存在している不公平性を縮めていく狙いもあります。学校には、全ての子どもたちを見つけ出し、その生い立ちに関わらず、子どもたちの持っている可能性を最大限発揮できるよう、教育方法を多様化することを求めています。」

ナイロビや沿岸州、北東州の一部の学校で試験的に取り入れられていた「子どもに優しい学校」の概念は、この手引書の完成に伴い、今後、ケニア全土で順次取り入れられ、実施される予定です。

トップページへコーナートップへ戻る先頭に戻る