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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

ラオス:日本からの支援で「子ども保健の日」キャンペーン

【2008年12月26日 ラオス発】

© UNICEF Lao PDR/2008/Ingram
ユニセフの支援で実施された「子ども保健の日キャンペーン」。ラオスの山奥のヒン・パン村で、ビタミンAを投与される男の子。

高くそびえる山の高台に位置する小さな村ヒン・パンからは、ごつごつした峰や木の生い茂った渓谷の壮大な景色が見渡せます。しかしながら、この壮大で美しい地形が、約300人からなる少数民族ハミングコミュニティの人々から、保健サービスなどの基本的な社会サービスを享受する機会を奪っています。

例えば、最も近くの舗装された道路には、でこぼこ道を8キロも下って行かなければなりません。診療所は、さらにもっと遠いのです。

このため、冬の寒さ厳しい12月の朝スタートしたラオスの「子ども保健の日キャンペーン」でも、窓も電気もない質素な木造の小学校の校舎が、臨時診療所として使用されました。

最初の「子ども保健の日キャンペーン」は、2007年6月に行われ、5歳未満の子どもたちに、ビタミンA、虫下しが投与されました。

子どもたちの命と健康を守る最低限の保健対策

順番を待つ多くの人々が、教室の簡素な木製のベンチに座っています。子どもたちが一人ずつテーブルの前に呼ばれ、地元の保健員が、ポリオワクチン、ビタミンA、虫下しを子どもたちに次々と投与しています。

3人の母親のジェウさんは、一番下と二番目の子どもを連れてやってきました。「村の保健ボランティアの人が、今日ここに来るように言ってくれました。」ジャウさんは、9ヵ月のカウショングちゃんをあやしながら話します。「保健ボランティアの人は、子どもたちを寄生虫から守り、ビタミンを子どもたちに投与することは重要だと話してくれました。だから、もちろん、私は来ました。」

日本からの支援

このキャンペーンを支援するため、「世界の子どもにワクチンを日本委員会」は、日本ユニセフ協会を通じて、10万米ドルを提供。同委員会の新井俊郎事務局長は、キャンペーンの実施状況を確認するため、この日、現地を視察に訪れました。

「日本からの支援が、どのようにラオスの子どもたちを病気から守っているのか見ることができて、とても嬉しいです。」新井事務局長は話します。「1950年代から60年代、日本でも、外国からの支援が日本のポリオ撲滅に貢献してくれました。今、日本の一般の方々や民間企業からの支援が、ラオスのようなアジアの国々の発展を助けているのです。」

再発の可能性をゼロにするために

ラオスで確認された最も新しいポリオの症例は、1996年。その4年後、ラオスは、ポリオの撲滅を公式に宣言しました。しかしながら、この病気の再発の機会がなくなったわけではありません。ラオスには定期予防接種率が低い地域も少なくなく、いまだポリオが残る国々の人が観光などでポリオウィルスとともにラオスを訪れる可能性も少なくないのです。

「子ども保健の日は、最も弱い立場にある子どもたち、特に農村部の子どもたちに多様な支援を行うことができる素晴らしい機会です。」と、保健省の予防接種事業担当者、アノン・エウアトボングサ氏は、このキャンペーンの意義を説明します。

“素晴らしい機会”

今年、ラオス政府は、「子ども保健の日キャンペーン」を強力に推進。首都ビエンチャンで開かれたイベントのスタートを記念するセレモニーには、多くの閣僚も参加し、このキャンペーンを支援しているユニセフと世界保健機関の代表者も出席しました。

まだ最終的な結果は出ていませんが、今年のキャンペーンは、2007年に全国で実施し、目標とした子どもの96%に予防接種を実施したはしかキャンペーンの時とほぼ同じ速度で実施が進んでいるとのことです。

ルアング・プラバング町郊外にある市場の近くにある臨時診療所に座りながら、地元の予防接種事業担当者のサウクヒタボウンさんは、ポリオワクチン、虫下し、ビタミンAをすでに投与された子どもたちのリストに目を通しています。

「このコミュニティでは、目標としている114人中94人に、ポリオワクチン、虫下し、ビタミンAを投与しました。」サウクヒタボウンさんは、満足そうな声で話します。「まだ朝の10時30分よ!」

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