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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

スーダン大洪水
350万人が下痢性疾患・伝染病の危機に
ユニセフ 22億6千万円を緊急アピール

【2007年9月3日 スーダン・ハルツーム発※

ダルフール紛争によって、いまだ不安定な状況に置かれているスーダンを、大洪水が襲いました。スーダンの雨季は通常8月から9月。しかし今年は、7月上旬に雨が降り始め、北部から南部の広い地域にわたり、深刻な洪水被害が広がっています。

これまでに、負傷者数335名、死亡者数64名を含む8万2,157世帯(41万785人)に被害が及んでいると推定されています。例年8月下旬から9月上旬にかけて降水量がピークとなるため、今後さらなる家屋崩壊や伝染病の発生、飲料水が汚染される危険性が高まると見られ、また、5万3000世帯(26万5000人)の新たな被災者の発生が見込まれています。

ユニセフをはじめ、スーダンで人道支援活動を続ける各国連機関・NGOは、被害の拡大に備え、支援物資輸送を確保。保健と栄養、水と衛生、食器などの生活必需品とシェルター(テント)、食料と避難先などでの生活環境の整備の人道支援主要4分野で活動し、今後の被害の拡大への対応の準備を整えています。さらに、洪水でこれまでに190以上が全壊あるいは半壊したとみられる学校をはじめとする社会資本(インフラ)の修復作業や学習用品の提供も始まっています。

洪水が引き起こす「水」の問題

ユニセフは現在、人道支援活動のもっとも緊急の課題のひとつとして、安全な飲料水の確保を伝えています。ユニセフは、これまでに、浄化剤(塩素粉1400キロ、塩素タブレット87万8000個)を提供し、被災地域の住民50万人に衛生教育を実施しました。また、カッサラ州をはじめとする一部の被災地域では、給水車による飲料水の運搬を実施しています。しかしながら、こうした支援活動にもかかわらず、これまでに600名以上の人が急性の下痢性疾患を発症し、下痢による脱水症状により39名の死亡が確認されています。

降り続く雨と河川の氾濫で、家屋が崩壊。多くの道路は封鎖されました。このため、支援物資や支援スタッフが被災地に充分にアクセスできていないのが現状です。汚染された地上水を飲まざるをえないため伝染病への罹患が心配される人の数は、現時点で350万人にのぼると予測されています。また、各所に出来た水溜りや池に蚊が繁殖。今後、マラリアやデング熱などが蔓延する恐れもあります。

ユニセフは、今後半年間に必要な資金として、国際社会に対し、1951万6276米ドル(22億6200万円あまり)の支援を求めています。

ユニセフの支援活動

水と衛生(631万2850ドル)

スーダン北部:300万人、スーダン南部:28万2000人を対象に、下痢やコレラなど、汚れた水を原因とする病気の感染を防ぐため、浄水剤による水の浄化や給水車などでの飲料水の提供、衛生施設(トイレ)の設置、石鹸5万個など衛生用品の提供と正しい衛生知識の普及、学校50校への衛生施設(トイレ)を設置。今後被害が予想される地域の住民、20万人のニーズに対応するため、緊急支援物資を戦略拠点倉庫に備蓄。

保健(643万9,000ドル)
スーダン北部:140万人、スーダン南部:30万人を対象に、洪水被災者の最低80パーセントの人々(約1億900万人)に対する緊急保健・医療支援を実施。蚊帳の提供、経口補水塩(ORS)や必須薬品などの配布・提供。特に5歳未満の子どもたちへの支援を重視する。

シェルター・テントなど(486万6,176米ドル)
スーダン北部:60万人、スーダン南部:6万人を対象。食器など食品以外の生活必需品やシェルター用ビニールシート、テントなどの調達、輸送、保管。

教育(189万8,250米ドル)
スーダン北部:60校・生徒4万人、スーダン南部:38校・生徒8万人などを対象。校舎の修復、学用品の提供、教育活動の再開などの『バック・トゥ・スクール(子どもたちを学校に戻そう)』キャンペーンを展開。

(※この情報は、9月3日までにユニセフ・スーダン事務所が発表した情報を、日本ユニセフ協会がまとめたものです)

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◇ 募金のお願い ◇

日本ユニセフ協会では、スーダンにおけるユニセフの支援活動を支援するための募金を下記の口座にて受け付けています。皆様のご協力をお願い申し上げます。

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