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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

トルクメニスタン:ライフスキル教育を受けた子どもたちがエイズの知識を広める

【2007年5月30日、トルクメニスタン・アシガバート発】

HIVの危険や感染予防方法の知識の普及率が非常に低いトルクメニスタン。4つのHIV感染経路を正確に答えられる女性の割合は、8人にひとりにも達しません。しかし、トルクメニスタン東部、ヨロテン・エトラップにある第45学校の子どもたちは、ライフスキル教育プログラムのおかげで、おとなたちよりもHIV/エイズについて詳しくなりました。今では子どもたちは、HIVの感染が、性交渉や汚染された注射針の使いまわし、輸血、妊娠・出産・母乳育児の間に起こる母子感染を通じて広がっていくことを理解しています。

「私たちの多くは、HIVに感染した人が吐き出した息を吸い込んだだけで、自分も感染すると思っていたわ。でも今ではもう、どうしたらHIVに感染するのかきちんとわかっているから、自分の身を守ることができるんです」とアイベゲンク・ツグノバさん(15歳)は言います。「でも、お父さんやお母さん、親戚や近所の人たちは、ほとんどみんな、まだ知らないの。HIV/エイズについて聞いたことはあっても、詳しいことは教わっていないのよ」

エイズについて話すことを恐れない
c UNICEF Turkmenistan/ 2007/Lyngstad
ライフスキル教育の教材を手に取るアイベゲンクさんとムカンメクリエワ先生

「生徒たちはHIV感染予防の先駆者といっても過言ではありません」とメイサ・ムカンメクリエワ先生はいいます。「ライフスキル教育を受けた子どもたちは、新たに学んだことを家で家族に伝えるよう勧められます。そうすることで、全ての年代の人たち、そして、コミュニティ全体がライフスキル教育プログラムの恩恵を享受できるようになるのです」。子どもたちもHIV/エイズについて話すことをためらいません。

「HIV/エイズについては学校以外の場所でも話しているわ」とアイベゲンクさんは言います。「エイズのことは、HIV教育が行われていないほかの学校の友だちとも話しているのよ。ほかの科目と違うから、ライフスキルの勉強はおもしろいの。何が危険かを知ることは、日常生活にとって大切なこと。自分自身の判断力を養うことができるんです」

ライフスキル教育がもたらす生徒と先生の絆

第45学校がユニセフの支援を受けてライフスキル教育を始めた2005年以来、ライフスキルは通常のクラスや地元の若者のクラブでも重点的に取り上げられるようになりました。麻薬や感染症にとどまらず、公衆で一般的にどのような行動をとればよいのかについても話し合われています。若者のクラブでは、スポーツや芸術、保健活動も行われています。

第45学校や近隣の第1学校の先生およそ40人が、ライフスキル教育の特別な訓練を受けました。また、何人かの先生はトルクメニスタンの首都アシガバートや州都のマリで開催された研修会にも参加しました。「先生方は楽しんでライフスキルの講習を受けていました」とムカンメクリエワ先生は言います。

「生徒たちはライフスキルを学ぶことに対してとても積極的です」。ムカンメクリエワ先生は続けます。「新しい教育手法では対話型の学習を重視しています。そのために、先生と生徒の距離がふだんよりもずっと近くなって、子どもたちは自ら質問やディスカッションをしたり、自分の意見を表現するようになったんです」。

子どもたちの世界を広げるリソースセンター

さらに第45学校では、ユニセフの支援によって、コンピューターや地図、遊び道具などが設置されたリソースセンターを建設することができました。 「コンピューターが大好きなの。

コンピューターがあるおかげで、英語だって勉強できるのよ。それに、ユニセフが支援をしてくれるようになってから、ユニセフや国連の活動についても調べ始めるようになったんです」とアイベゲンクさんはうれしそうに話します。「ユニセフから贈られた世界地図をいつも見ているのよ」。ほかの女の子もそう言葉を続けます。

「地図を学ぶことでほかの国に興味がわきましたか?」。そう尋ねられた子どもたちは、声をそろえて「はい!」と答えてくれました。「パリ、スペイン、ロンドン・・・」。口々にあげられた街の名前は、子どもたちがいつか行ってみたいと考えている場所です。

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