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ユニセフ支援者様からのお便り

2007年にご逝去され、遺言によるご寄付を下さった方(横浜市M・Sさん)のお兄様からメッセージをいただきましたので、ご紹介いたします。ご支援によって、未来を担う多くの子どもたちの命を守り、健やかに成長できるよう、支援することができました。故人様のご遺志と、ご家族様のご協力に心より感謝申し上げます。

子ども達の幸せを願って

5年前の秋であったか、妹の住まいを訪ねた時に妹から、若しもの場合には遺ったもの全てをユニセフに寄附するとこにしたろと打ち明けられた。敗戦後の日本の復興を援助物資を通じて支えてくれたユニセフの最近の活動を妹から聞いて、如何にも妹らしい決断をしたものと私は頷いた。

それから2年後の晩秋、渋谷駅頭での不運なアクシデントが因で、翌2007年1月半ば妹は不帰の身となった。

妹は1942年に生を享け敗戦後の激動の時代に成長した。読書家だった父と、戦中戦後の窮乏の中にあってもひもじさに泣く幼な児を抱えた人や困っている人には我が家の中から何某かの物を分けていた思いやりのある母の影響か、妹は本好きで優しい少女に育った。学校の時代には絵の勉強をしていたが、司書の道を選び公立高校の司書教諭を永年勤めた。同僚の先生の話では生徒に慕われていて、休み時間には生徒が妹を囲んで話し合っているのがよく見かけられたという。

子どもの心を持ち続け、子どもと子どもの本を愛し続けた妹が、ユニセフを通じて1人でも多くの子ども達が命を取り留め、飢えを凌ぎ、学校で学び本を読めるようになることを願ったのは自然のことであった。

昨年、協会の現地スタッフによるミャンマー報告会を妹に代わって聴講し現地活動の一端に触れ、現場の方々の並々ならぬご苦労に敬意を表すると共に、改めてユニセフ活動の拡がりを願った。

2009年7月 Y・S記