メニューをスキップ 公益財団法人日本ユニセフ協会

子どもの権利を尊重・推進するビジネス

若年労働者、子どもの親や世話をする人々に働きがいのある人間らしい仕事を提供する

© UNICEF/NYHQ2011-1601/Roger LeMoyne

子どもの権利を尊重する企業の責任には以下のものが含まれる。

a. 若年労働者に働きがいのある人間らしい仕事を提供する。

就業が認められる最低年齢に達した子どもの権利を尊重し、社会的対話や職場における権利、安全な労働環境の整備、虐待や搾取からの保護、ジェンダーに配慮した水・衛生設備(トイレ)へのアクセスを促進する。

b. 就業が認められる最低年齢以上の若年労働者の脆弱さに対し責任をもって対応する。

  • i. すべての企業は、暴力や虐待からの保護を含めた子どもと若年労働者の権利に関し、その企業の最上位レベルで方針によるコミットメントを採択、承認すべきである。それらの方針により、通常の就業が認められる最低年齢以上の子どもたちは危険な労働から保護されるべきである。とりわけ、労働時間の限定、危険な高所での作業や危険な機械、設備および工具を使用する労働の制限、重荷の運搬、危険な物質または工程にさらされること、夜間の労働または若年労働者が不当に雇用者の敷地内に拘束される労働等の困難な労働条件について配慮すべきである。こうした方針を実行する責任は経営陣により主流化され共有されなければならないが、企業はその実施を監督する特定の責任者を置くこともできる。
  • ii. 嫌がらせ(ハラスメント)に関する企業方針は若年労働者の脆弱さに留意すべきである。こうした方針に関しては施行を徹底させ、従業員及び企業の敷地内にいる者はそれについての研修を受けるべきである。また苦情処理メカニズムが設置されていて、若年労働者にとって利用しやすいものであるべきである。
  • iii. 企業は若年労働者の権利に特に留意するよう経営陣に求め、また労働組合やその選出された代表にそれを奨励することもできる。あくまで労働組合の独自の決定に任されるべきではあるが、労働組合は、若者の労働条件を監視するための若年労働者の代表/幹事を選出することもできる。

子どもの権利を推進する企業のコミットメントには以下のものが含まれる。

c. 若年労働者にディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を提供する。

若年労働者に対して、年齢に適した社会的保護や保健情報・サービスを含めた、ディーセントな(働きがいのある人間らしい)就労機会の提供を促進する。そのためには、質の高い教育、適切な職能訓練および生活向上プログラムが、生計を立てるための機会の提供とともに、特に重要である。

d. 女性と男性いずれの労働者に対しても、彼らの親としてまた子どもの世話をする者としての役割を支えるようなディーセントな(働きがいのある人間らしい)労働条件を提供する。

法の遵守の範囲に止まらず、生活賃金の支払い、労働時間の長さや柔軟性、妊娠・授乳中の女性への待遇、育児休暇ニーズ、移民労働者や季節労働者が遠隔地から果たす親としての役割に対する支援、扶養家族のための質の高い保育・保健・教育サービスへのアクセス促進等、労働者の待遇に特に留意する。