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財団法人日本ユニセフ協会

国際協力人材養成プログラム

海外インターン体験記


インドでのHIV/AIDS啓蒙活動

氏名:林 英恵
派遣先:インド デリー事務所  Programme Communication
派遣期間:2006年10月〜2007年1月

世界一、 HIV 感染者数の多い国インド。首都デリーにあるカントリーオフィスの、プログラムコミュニケーションという部署で 3 ヵ月半、 HIV/AIDS 担当のインターンシップをさせて頂きました。

インドのプログラムコミュニケーションでは、 HIV/AIDS 、教育などのセクションと共同で、啓蒙活動や、行動変容、教育活動などのプログラムを立案・遂行していきます。今回のインターンでは、1) HIV/AIDS のための IEC(Information, Education and Communication) 教材のリサーチ と2) HIV/AIDS 予防のためのコマーシャル作りに携わりました。 プログラムコミュニケーションとコミュニケーション(広報)は、各地域事務所により位置づけが異なります。インドでは、前者が戦略的にターゲットの行動変容を促すプログラムを遂行し、後者が対外的に UNICEF の活動をプレスなどに知らせる部署として機能していました。

インターン中は、 4 回のフィールドトリップを行いました。 HIV の感染の危険が高いといわれる都市部のスラム街に住む青少年や、建築現場の労働者、郊外の貧困地域の女性や、教師、高校生などにインタビューし、 UNICEF や地元の NGO などが作成した教材の使われ方を分析したり、コマーシャルの全国展開前に、ターゲットとなる層の意見を調査したりしました。

実際、 UNICEF などの国際機関の活動により、インド全体としては、性に関する話に対して少しずつオープンになってきている印象は受けました。しかし、一方で「女性が一人でコンドームを買いに行くことは躊躇する」と現地の人が言うように、まだ性の話が特に女性の間でタブーであったり、地区によっては、HIV / AIDSの偏見を助長するような間違った知識が広まってしまっている現状があるのも事実です。

政府、地元のNGO、地方自治体、学校、町内会など、さまざまな組織がHIV / AIDSに対して取り組む中で、UNICEFは政府ともにその中核を担うプロジェクトを、地域のオフィサーたちの地道な日々の活動によって遂行していると感じました。「 Think Globally, Act Locally.  (地球規模で考え、地域レベルで行動する)」。まさにこの言葉がUNICEFの活動を表していると思います

今回のインターンで感じたことを生かし、自分の専門性であるヘルスコミュニケーションに関する経験と知識を身につけ、より貢献できる人間になって戻って来たいと思います。すばらしい機会を与えてくださった日本ユニセフ協会と、インドのカントリーオフィスの皆さんに心から感謝しています。

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津波から2年後のアチェ

氏名:西口祐子
派遣先:インドネシア バンダ・アチェ事務所
           (Programme Monitoring & Evaluation Unit)
派遣期間:2006年10月〜2007年1月

2004年12月26日。
スマトラ沖巨大地震、そして、それによって引き起こされた津波は、16万人以上のアチェの人びとの命を奪いました。津波がアチェの街を飲み込んでいく映像は、今でも多くの人びとの記憶に残っているのではないでしょうか。

津波から2年後のアチェ。 毎日は静かに始まります。朝、散歩に出かけると、各家庭からは、仕事に出る人びと、学校に行く子どもたちの声が聞こえる。営業の準備に忙しいコーヒー屋さん。街を行き交い始めるバイク。途上国のごく日常の風景。そう。アチェは、ずいぶん元気になった、と人びとは言います。

インターンシップの期間中には、多くの素敵な人びととの出会いがありました。たとえばとびきり可愛い小学生のお友達。津波で、お母さんと弟を亡くしました。私と学校の話をするとき、彼女はとても陽気に笑います。けれども、ふとした瞬間に、彼女の美しい目が、とても悲しく映ります。

アチェを離れ、ニアス島に行くことがありました。ニアス島は、スマトラ沖地震だけではなく、2005年3月28日に起きた二アス島近海での地震においても、甚大な被害を受けた島です。アチェからは、飛行機で約2時間。支援が届きにくい場所にあります。ここで出会った少年は、まだ4歳。お父さんを地震で亡くしました。今は苦しくなった家計、そしてお母さんを助けるため、お菓子を作って売っています。

「アチェは、ずいぶん元気になった」。復興していく家々や学校は、確かにそのことを物語っています。けれども、津波が奪った、人びとが生きていくことにまつわる全てのものは、あまりにも大きなものなのです。

ユニセフや他の国際機関がアチェに行った「援助」は決して小さなものではありません。でもそれは、決して大きすぎるものでもありません。津波から2年経つ、今、改めて、援助機関によるアチェへの誠実なコミットメントのあり方が問われている・・・そう感じた3ヶ月間でした。

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開発の世界で働くということ

氏名:有村 美穂
派遣先:バングラデシュ事務所(教育セクション)
派遣期間:2006年10月〜12月

2ヶ月間のユニセフバングラデシュ現地事務所でのインターンシップ、インターンという立場ながら珍しい、そして貴重な体験をすることが出来ました。教育セクションでの主な業務内容は、バングラデシュにおける女子教育に関する一般的な資料を集め、その資料の参考文献一覧を作り、その資料をもとにバングラデシュの女子教育経験をドキュメントするというもの。この業務を通して数字では見る事の出来ない問題を垣間見られたと同時に、インターンシップ全体を通して開発の世界でプロフェッショナルとして働くことを少なからず学べた気がします。

今回の滞在中は、選挙の前だということもあり、ハルタールが何度も起こり、また国内の道路が反対勢力に封鎖されるという日も多くありました。実質、私のインターンシップ中の3分の1はハルタールやストライキによってオフィスに行けず、当初計画していた小学校訪問やNGO訪問などは実現出来ず仕舞いでした。正直何のためにここに来たのだろう、と考えることもありました。しかし、オフィスのスタッフメンバーとのコミュニケーションを通して、このようなことも途上国で働いていたら向き合うべき現実であり、その現実の中で自分がどのように行動するべきなのか、また今の環境の中でどれだけのベストが尽くせるかということが問題であることに気付かされました。

明日はまたストライキになるかもしれない…まさに「インシャーラ」なインターンシップ期間でしたが、小さい頃から憧れていたユニセフでインターンシップをすることができ、これからの開発の世界での仕事に対する心構えを一つ体で学べたこと、たくさんの素晴らしい出会いがあったことに感謝すると同時に、これからのステップに役立てていきたいと思います。

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