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公益財団法人日本ユニセフ協会

国際協力人材養成プログラム

海外インターン体験記

ナイジェリア北部の女の子たちのために

氏名:由尾 奈美(よしお なみ)
派遣先:ナイジェリア事務所
派遣期間:2011年5月〜8月

© 日本ユニセフ協会
フィールド調査で訪問した学校

2011年5月から8月までの3ヶ月間、ユニセフ・ナイジェリア事務所の教育部門でインターンシップをする機会をいただきました。

この期間中、主にGirls' Education Project (GEP)のマネージャーの下でプログラム運営のサポート、他援助機関との連絡の取り合い、アブジャ本部や地方都市でのワークショップ開催のお手伝い、コンサルタント起用の準備などの業務に携わりました。英国国際開発省 (DFID) が出資し、イスラム系住民が大半を占めるナイジェリア北部の女子の就学率向上を目的としたGEPは、私がナイジェリア事務所にいた3ヶ月間は、ちょうど第2段階から第3段階へのプロジェクト移行期に当たりました。そのためプロジェクト評価に関する会合や現場視察が多く行われており、私も二度北部の町に出かけ、北部の学校の現状を自分の目で見て、学校関係者のお話を伺ったり、子どもたちと交流したりすることができました。教員養成学校で出会った少女たちの目の輝きは今でも忘れることができません。

© 日本ユニセフ協会
教師になるため、奨学金をもらって学校に通う女性たち

保健部門では1970年代から使用されているMBB手法(阻害要因に優先順位をつけてより効率的・効果的に就学率の向上を計る手法)が西アフリカの教育部門にも新しく導入されることを受け、レポート作成のためのデータ集めから、データ分析やレポート編集のお手伝いもしました。ナイジェリアで長く働いている国連職員が口を揃えて「この国には考えられるだけのありとあらゆる問題が存在し、チャレンジは山とあるが、友好的な政府の下、物事が早く進み、包括的に教育問題の色々な側面を見ることができるのは面白い」と話していたのが印象的です。アフリカ内で人口が最も多いナイジェリアが他のアフリカ諸国における開発の道しるべになることは間違いありません。

© 日本ユニセフ協会
教員育成ワークショップの仲間と一緒に

私がナイジェリアを離れて1週間後に、勤務していた国連ハウスがイスラム過激派による爆弾テロを受け、24名の国連職員らが命を落とし、たくさんの負傷者が出る事件が起こりました。亡くなられた方々のご冥福を心からお祈りし、負傷された方々が一日も早く回復されることを願うとともに、このような困難な政治情勢・勤務環境の中でも、少しでも明るい子どもたちの未来のために、身の危険を冒してまで働いている国連職員の皆さんの勇気と愛情に深く頭が下がる思いです。

最後になりましたが、私を温かく迎え入れてくれた坂井スオミ所長を初めとするナイジェリア事務所の方々、また今回このような素晴らしい学習の機会を与えてくださった日本ユニセフ協会の皆様方に心から御礼申し上げます。

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エチオピアのお水事情

氏名:熊丸 耕志(くままる こうじ)
派遣先:エチオピア事務所
派遣期間:2011年3月〜7月

Self Supply、それは地方の過酷な環境で生きる人々の一つの生き方かもしれません。語訳すれば自助供給、自助給水というところでしょうか。これがインターンを通じて携わらせていただき、また私のPhDプログラムにおける研究テーマでもあります。UNICEFの水と衛生(WASH)部署が取り組んでいるSelf Supply、それは数多くのドナーや政府が地方給水施設を村に1つ寄贈して後の維持管理は任せたよ、という従来からの手法とは根本的に異なる試験事業です。

Self Supplyとは昔から村人が使っている既存の家庭手掘り井戸を改善して持続的に安全な水にアクセスできることを目的とした手法です。井戸を改善して、とありますがUNICEFが、政府が井戸修理をするわけではありません。Self Supplyの手法としては、大きくわけて、1) 適正技術アドバイス、2) 地方民間セクターの能力開発、3) 金融メカニズムの構築そして4) 政策展開の4つを大きな柱としています。これらの柱を育てていくことで、実際に家庭井戸を改善していくか否かは村人が決めていくことです、なぜならその井戸は彼らの財産だから。

しかし、ソマリアとの境を持つエチオピア南西部においては水不足、飢饉がとりわけ深刻であり、どの地域でもSelf Supplyという手法が通じるというわけではありませんが、地盤環境や村落住民の社会経済的な側面が許す環境下においては、その期待されるところは住民側からも政策決定者側からも大きくなっています。

私がインターンを通して携わったのは、Self Supply手法において、どのレベルの地方給水保護により安全な水を確保できるかのベンチマーキング現場調査の調整並びに指揮、そしてSelf Supply適正技術の一つの可能性として高いRope Pumpの地方レベルでの生産力とその持続性を評価するコンサルタントとの共同作業です。
インターンを通じて感じたことは大きくわけて2点。UNICEFが支援するSelf Supplyという給水手法は、ある種、村人の生き方から学ぶものであるという学び。そしてUNICEF WASHの仕事は如何に現場が近くとも仮想マネージメントの領域が多分にある。これは水のプロという背景を持つ多くの職員から聞かされた言葉です。逆に言えば、現場感覚のある職員が質のある業務をこなす。

この先インターンを志す方々は大いに背伸びをしてみて下さい。業務に留まらず、ネットワーク作りに、趣味に就活に婚活に。インターン期間はそこだけ別枠なのではなく、人生の大切な1ページだと思います。

PhD終了後も、長い目でみて子供たちの今日と明日のために自分を表現できればと考えております。私がエチオピアの地に足を踏み入れさせていただいたのは東日本大震災の発生数日後でした。災害で突如失われる命、飢餓で慢性的に失われる命、自身が生きていることに感謝し、大切な方々と今を育てていく所存です。末尾となりましたが、日本ユニセフ協会、そして現地エチオピア事務所の皆様の不断のご支援に心より御礼申し上げます。

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