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公益財団法人日本ユニセフ協会

国際協力人材養成プログラム

海外インターン体験記

フィリピンにおける幼児教育の拡充をめざして

氏名:加藤 真理子
派遣先:フィリピン事務所
派遣期間:2012年5月〜9月

私の配属先は、ユニセフ・フィリピン事務所の教育セクション。本セクションはふたつの分野(初等教育と幼児教育(※))に分かれており、私は幼児教育を担当させていただきました。

マドラサ・クラス(イスラム教徒用クラス)の子どもたち

フィリピンでは、2011年度より1年間の幼稚園教育(kindergarten education)が義務化され、小学校入学の必須条件となりました。しかし、教育省の統計によれば、2010年度の幼稚園の純就園率は55%にとどまっており、幼稚園教育を現場レベルで義務化し普遍化することがいかに困難であるかを示しています。

この画期的な教育制度改革に伴い、ユニセフも様々な事業を抱えていました。そのため、私の任務も多様でしたが、なかでも重要だったのはMoRES (Monitoring Results for Equity System)というユニセフの新たなモニタリング・システムのための基準値設定です。「幼稚園に通っている子どもの割合」「有資格教員が在籍する幼稚園の割合」をはじめとする10の指標に相当するデータを、ユニセフの支援対象である36地域分集めなければいけませんでした。しかし、ほとんどの市町村において幼児教育に関するデータベースは存在せず、データ採集は困難を極めました。それでも、幼稚園教育が義務化された今、ユニセフとしてもフィリピン政府としても、より正確なデータを必要としていたため、非常にやりがいのある仕事でした。

 「ユニセフで働く」というのは、小学5年生の頃から抱き続けてきた私の夢でした。そのため、初出勤の日は全身が震え、初めて自分のIDを身に付けたときには涙がこぼれそうになりました。夢は、半ば叶ったかのように思われました。しかし、「自分がなりたいユニセフ職員像」がより鮮明になった今、ここからが本当の挑戦だと感じています。

 最後になりますが、このような貴重な経験の機会を与えてくださいました日本ユニセフ協会の皆様とご支援者の皆様、そして未熟な私を温かく迎え入れ、支えてくださったフィリピン事務所の皆様に、心より御礼申し上げます。いつの日か、専門家としてユニセフに戻り、精一杯仕事をすることで、皆様にご恩返しできればと切に願っております。

(※)ECCD (Early Childhood Care and Development)という分野で、厳密にいえば、日本語でイメージされがちな「幼児教育」よりも広域のケアを意味する。

教育セクションの仲間たちと
いつも陽気なフィリピン人スタッフのみなさんと

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