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公益財団法人日本ユニセフ協会

国際協力人材養成プログラム

海外インターン体験記

氏名 梅山 研一
派遣先 カンボジア事務所
派遣期間 2014年5月〜2014年9月
訪問した農村部の小学校
使われなくなった小学校のトイレ

私は、修士論文を提出後、ユニセフ・カンボジア事務所のWASH(Water, Sanitation &Hygiene)セクションにてインターンシップをさせて頂きました。大学院では環境工学、特に環境に優しいエコ・サニテーションシステムについて研究しており、WASHの業務を希望していたところ、カンボジア事務所のWASHセクションで受け入れていただき、インタ—ンを行うことになりました。カンボジアのWASHセクションは、他のセクションと比べて小規模で、5月にインタ—ンを始めた時点では4名(インターナショナルスタッフであるチーフとローカルスタッフ3名、その後2名のローカルスタッフが増員)の小所帯でしたが、雰囲気がよくみな親切で、いろいろと手助けいただきました。

インターンシップにおける私の主な業務は、WASH施設、特に、小学校に設置された井戸、雨水貯水タンク、トイレ、手洗い場の技術および管理面の評価でした。渡航前には、別の業務を担当するよう言われていたのですが、渡航後に改めてセクションチーフと話をして、私の専門分野や希望を聞いてくださり、この業務を担当することになりました。カンボジアでは、いまだに飲料水やトイレが利用できない小学校がたくさんあり、ユニセフは、NGOと協力して、飲料水やトイレを供給するプロジェクトを進めています。私の業務は、WASH施設がよりユーザーや環境に優しいものになり、また長きに渡って使ってもらえるよう、技術およびマネジメントの評価を行い、提言を行うことでした。

業務を遂行するにあたっては、スーパーバイザーに多大な配慮をいただき、フィールドトリップに行く機会をたくさんいただきました。農村部を中心に約30の小学校を訪問し、15名の校長や教師にインタビューを行いました。ユニセフが資金提供しているNGOパートナーのプロジェクトサイトや、コミュニティのWASHプロジェクトも訪問し、関係者の話を聞きました。最終的には、フィールドトリップで見聞きした事やデスクレビューによって集めた情報を中心に報告書をまとめるとともに、プレゼンテーションを行いました。加えて、上述の主要業務の他にも、コンサルタントと契約するための契約仕様書の作成や、洪水時の緊急支援対策トレーニングワークショップ、政府当局とのミーティングなどに参加させていただき、いろいろと勉強する機会をいただきました。

カンボジアを訪れたのは初めてだったので、業務を通してはもちろん、プライベートでもいろいろと発見がありました。私が滞在している間に、カンボジア初の大規模ショッピングセンター"イオンモール"がオープンしたので、オープンの際にはセクションの同僚と同モールを訪れ、ボーリングを楽しみました。週末には学生時代の友人と飲みに行ったり、他のセクションでインタ—ンをしていた学生とアンコールワットに旅行に行ったりしました。

カンボジアの人口一人当たりのGDPは1008米ドル(2013年)で、これは、タイの5779ドルおよびベトナムの1911ドルと比較しても、非常に小さい値です。しかし、経済は成長盛りであり、プノンペンではいたるところで不動産開発が進んでいます。メコン川沿いを歩けば、レクサスやレンジローバーなどの高級車と現地の足トゥクトゥクが並んで走っているのを見る事ができます。いわゆる日本の"バブル"を知らない私にとっては初めて感じる"バブル"であり、この活気ある時期にプノンペンで過ごす事ができたことは、非常に貴重な経験でした。また、貧富の差が拡大しつつある中、こどもたちや貧困層の人々を含む社会的弱者のために働くユニセフの業務とそこで働く人々の高い志には、大きな刺激を受けました。この貴重な機会を与えてくださった日本ユニセフ協会やユニセフ・カンボジア事務所のみなさま、また日頃ユニセフを支援して下さっている方々に心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました。

フィールドトリップに行く際に車と一緒に乗りこんだローカル船
ユニセフの支援でつくられた井戸をためす様子。

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