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公益財団法人日本ユニセフ協会

国際協力人材養成プログラム

海外インターン体験記

氏名 森田 智彦
派遣先 エチオピア事務所
派遣期間 2015年6月〜2015年10月
学校菜園を行っている小学校で、先生方、NGOパートナー、ユニセフの同僚と
訪問した村で見送ってくれた子ども達

約30年前の大飢饉から一変し、エチオピアは近年目覚ましい経済発展を遂げてきました。2014年には経済成長率で世界第一位を記録し、首都アディスアベバでは建設ラッシュが続いています。その一方で、都市部と農村部の経済格差が広がり、雨水に頼った農業は干ばつによる被害を受けやすく、慢性的な食糧不足と貧困のため、農村部では5歳未満児の4割以上が慢性栄養不良に陥っています。慢性栄養不良の子どもでは、感染症による死亡リスクが増大し、認知・運動の発達障がいによる就学率の低下、さらには将来の収入の減少につながり、生涯にわたり影響を及ぼします。慢性栄養不良の原因として、妊娠中や乳幼児期の栄養不足の他、汚れた水や不適切な衛生環境が関与しており、下痢や環境性腸症(Environmental Enteropathy: EE)により栄養の吸収が妨げられ、慢性栄養不良を引き起こすと考えられています。

このような背景から、私がインターンシップをさせていただいたWASH(Water, Sanitation and Hygiene)セクションでは、栄養セクションと合同で慢性栄養不良改善事業を立ち上げ、農村部における安全な水と適切な衛生施設(トイレ)へのアクセスの向上、衛生啓発、学校・家庭菜園の実施、ビタミンA等の微量栄養素の補充、および栄養教育等の活動を行っています。私は恊働するNGO4団体との調整および事業のモニタリングに携わり、主にドナーへの報告書の作成、ベストプラクティスの文書化、および事業改善のための提案を行いました。事業では、持続可能なアプローチと人材育成に重点を置いており、コミュニティ主導の衛生啓発活動による屋外排泄の根絶を目指すCLTS(Community-Led Total Sanitation)、職人・小規模企業の能力強化を行い、改善された衛生用品(ピット式トイレ用カバー、ロープポンプ等)の供給と収入創出を支援する衛生マーケティング(Sanitation Marketing)等、問題解決の主役であるコミュニティの人々が行動を起こすきっかけを作り、後押しする支援のあり方を学ぶことができました。

2つ目の業務として、初期の子どもの発達(Early Child Development: ECD)と水衛生の関連性、および顧みられない熱帯病(Neglected Tropical Diseases: NTDs)に対する水衛生改善の有効性について、2016年以降のカントリープログラム策定のための先行研究の調査を行い、効果的な事業形成と適切な指標設定のための提案を報告書にまとめました。WASHセクションには保健分野のバックグラウンドを持つスタッフがほとんどおらず、専攻する公衆衛生の専門性を活かしてプログラム立案に貢献することができ、また報告書について同僚からいただいた助言はとても励みになりました。約40名のWASHセクション全体で議論を重ね、プログラムを作り上げていく策定プロセスは、想像していた官僚的な国際機関のイメージを覆すほど熱気に満ちており、議論を通して同僚から多くの刺激と学びを得ることができました。

インターンシップを通して、水衛生環境の改善にとどまらず、子どもの栄養、保健、教育等の分野においてWASHが果たす役割と可能性の大きさを実感しました。また、他セクションと連携した分野横断的なアプローチが重要性を増すとともに、セクション間の橋渡しができる幅広い視点と専門性が求められると感じました。今後開発途上国の子ども達のために自分自身が貢献したいことを見極め、これからの活動の中で実現できるよう、インターンシップから得た学びを活かして成長していきたいと思います。最後になりますが、このような貴重な機会を提供していただきました日本ユニセフ協会、ユニセフ東京事務所、ユニセフエチオピア事務所、ユニセフの活動をご支援いただいている皆様に心より感謝申し上げます。

衛生マーケティングの講習を受け、ピット式トイレ用カバーを制作・販売する女性
CLTSによる衛生啓発を受け、コミュニティの人々が設置したトイレ

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