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財団法人日本ユニセフ協会




バングラデシュ・サイクロン第8報
困難な状況の中、必死に歩みを進めるサイクロン被災者たち

【2007年12月6日 バングラデシュ、バジェハト発】

© UNICEF/HQ07-1907/Noorani
サイクロンで大きな被害を受けたバジェハト県、南クハリ村にて。ユニセフが支援する現地のNGOプロディパンから受け取った高カロリービスケットの箱を運ぶ少女。

ユニセフチームは長い距離を歩き続け、バジェハト県の郊外シャランコラにあるマーケット、クリアクハリ・バザールに到着した時にはもう正午近くになっていました。

2007年11月、サイクロン「シドル」によって破壊された南クハリの周辺の村々は廃墟となってたたずんでいます。破壊された瓦礫の山の合間には、トタン屋根の家屋が数軒だけ残っています。村人は、泥でぬかるみ、根こそぎ倒れた木で荒らされた土地をなんとか通行しています。

11月15日、バングラデシュ沿岸地方を襲ったサイクロン「シドル」は、近年の記録史上最悪のものでした。3,300人以上の命が奪われ、未だに数百人の行方不明者、数千人の人が家を失いました。

サイクロンの日に生れた赤ちゃん

約100人のベールをかぶった女性とその子ども達が、南クハリの救援活動の列に朝から並んで待っています。25歳のハヌファさんの息子は、サイクロンが村を襲った11月15日の夜に生まれました。

ハヌファさんにとって、自分と上の娘が食べる一日一度の食事さえ調達することはとても困難になりました。「赤ちゃんに母乳を与えようと努力しているのだけど、私が何も食べていなくて弱いから、母乳がでないのです。」彼女は言います。

ハヌファさんはサイクロンによって家とすべての持ち物を失くし、二人の子どもと共に避難所で暮らしています。ボランティアの人たちは、ハヌファさんが高カロリービスケットBP5をもらえるように手助けし、ユニセフのスタッフは彼女にビスケットの栄養価値について簡単に教えています。

救援物資に頼る家族

© UNICEF/HQ07-1913/Noorani
娘のリヤを抱きながらユニセフが提供した家族用キットを運ぶパルル。その後を、救援物資が入ったバックを持ってついて歩く上の娘ジャスミン。

ユニセフは、サイクロンで持ち物を全て失った人々のために、約1万セットの家族用キットを配布しています。このキットには、調理器具やタオルなどの日用品が入っています。

もう一人のサイクロン生存者であるパルルさんにとっても、これらはとてもありがたいものです。彼女は、暴風雨が村を襲った時、夫を亡くし、支援に頼って生活しています。

「これらはとても役に立っているわ。」二人の子どもをもつ彼女が、キットを開きながら言いました。「サリーと、子ども達のベッドに敷くことができるタオルをもらったわ。」


子どものための安全な空間

ユニセフは、子ども達の精神的な回復に力を入れており、被災した子どもや孤児になってしまった子ども達のために40以上の安全な空間を設けました。

10歳のルマーナは、サイクロンによって母親と3人の兄弟を亡くしました。彼女だけは、避難していたために生き延びました。

「ここでは昼間と夜が全然違うのよ。」ルマーナの祖母、ロケヤ・ベガムさんが言います。「夜はみんなが泣く声だけが聞こえるわ。ルマーナは、子どものための「安全な空間」にいるときは母親のことを忘れられるけれど、家に戻ると毎晩泣くのです。」

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