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財団法人日本ユニセフ協会



ガザ人道支援 第4報
この戦争が終ればいいのに・・・
ガザ地区の子どもたち 武力衝突で心理的影響を受ける

【2009年1月12日 ニューヨーク発】

ガザのベイト・ハヌーンで行われた二人の友達のお葬式で、両手で頭を抱えて泣く男の子。
© UNICEF/NYHQ2008-1405/El Baba
ガザのベイト・ハヌーンで行われた二人の友達のお葬式で、両手で頭を抱えて泣く男の子。

ガザ地区内の子どもたちには、少なくとも理論上ではありますが、1日に3時間だけ外に出ることができるようになりました。この人道的な停戦は、いつも守られるわけではありませんが、食糧や飲料水を探したり、住んでいた家から所持品を取ってきたりすることが必要な人々にとっては、またとないチャンスです。

シェイク・ラドワンでは、子どもたちが、瓦礫の上に上がったりして、自分たちが使っていた思い出深い物を探しています。この2週間に、自分のコミュニティに何が起きたのか、それを理解しようとしているのです。

「私はおじいちゃんのところにいました。」エハブさん(12歳)は話しました。「爆撃の音を聞いて、逃げ出しました。家が、砲撃を受けているところを見ました。ドアも窓も壊されました。砲撃が終わると、もう家は無くなっていました。」

武力衝突の激化

イスラエル軍が地上作戦を開始し、武力衝突が激化するにつれて、同じような話があちらこちらで聞かれます。保健省によると、少なくとも854人のパレスチナ人が死亡し、3680人以上が負傷したとのことです。

ユニセフは、この地域の40万人の人々が、水道水を使用できない状態であると推定しています。世界保健機関(WHO)は、保健システムが崩壊寸前であると警告しています。

「電気もガスも使えません。あの電線をみてください。全部下に垂れ下がっています。」ある女性はこう言って、どのように自分の家が破壊されたのかを話してくれました。「水もないのよ・・・。どこで食事をしたらいいのかしら?小麦もパンも・・・何もない状態なの。」

求められる安全な空間の設置
ガザのシェイク・ラドワンで砲撃を受けた建物。
© UNICEF video
ガザのシェイク・ラドワンで砲撃を受けた建物。子どもたちが耐え続けている武力衝突は、3週目に入っている。

日々の危険性も恐怖そのものですが、子どもたちにとってそれより恐ろしいのは、逃げ場がないことです。爆撃から身を守るための避難場所がなく、国境は閉ざされています。ユニセフは、子どもたちについての新しい形の報告を受けています。ショックのあまり、声が出ず、話すことができなくなっている子どもたちが増えているというのです。

「今のところ、ガザには、子どもたちや家族にとって安全な場所はありません。」ユニセフ・パレスチナ自治区事務所のパトリシア・マックフィリップス代表は話しました。「子どもたちのために、緊急に必要な飲料水、医薬品、その他の救命支援物資をトラック輸送するためには、武力衝突を終わらせることが必要です。そして、それが終わるまでに、ガザ地区内に『安全な空間』を作らなければなりません。あらかじめ、配備してある支援物を配布できるようにするためです。」

ガザの子どもたちは、しかし、2週間以上目撃してきたこうした厳しい状況にもかかわらず、より良い未来が来るのではないか、と希望を持ち続けています。

「世界中にいる他の子どもたちみたいに生活したい。」マハムード君は話しました。「戦争が終わればいいのに。そうしたら、また学校に通えるから。」


 動画を見る(英語)
2009年1月11日:
3週目に入ったガザでの武力衝突により、心理的な影響を受けている子どもたちの様子について伝えるユニセフスタッフ(Chris Niles)から