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財団法人日本ユニセフ協会



ガザ人道支援 第9報
若者支援学習センターの活動が再開されました

【2009年1月23日 エルサレム発】

© UNICEF HQ/2009/El Baba

パレスチナ自治区ガザへの激しい攻撃・侵攻により、推定80万人の子どもと若者が影響を受けています。今回の武力衝突により、学校、医療施設、遊び場は破壊され、近隣全体の家々を失った人たちさえいます。

最も被害を受けているのは、女性と子どもたちです。この子どもたちの中には、おとなでもなく、子どもでもない、ちょうど境目にいる若者たちも含まれます。

ガザ地区に住むララ・アブ・ラマダンさん(17歳)は、紛争下での経験を次のように語りました。「こんなにひどい生活をしたのは初めてです。食糧も電気も水もなかったのですから。」

「最近の武力衝突激化により、ガザに住む若者の多くが、大きなストレス、心配、不安、恐れを抱えています」と、リンダ・サール ユニセフ・青少年育成・参加プログラム担当部長は言います。「しかし、同時に彼らは、家族、友人、地域の人々を支えるために何かしなければならないと感じているのです。」

若者が主導で学習

この武力衝突以前から、ユニセフとパートナーは若者たちのために、毎日、スポーツ・芸術・音楽・劇などのレクリエーション活動や、ライフスキル教育の支援を、ガザ地区の5つの地域にある28の‘若者に優しい空間’で実施してきました。

‘若者に優しい空間’は、若者のイニシアティブにより運営され、若者自身がアイデアを発展させ、地雷啓発、学校再建、障害のある人が生活しやすいように家を修復改善するためのキャンペーンなどを繰り広げています。

ユニセフの「若者育成・参加プログラム」と「子ども保護プログラム」はガザの人たちの緊急のニーズに対応するため、一部の‘若者に優しい空間’を家族支援センターとして活用する予定でいます。これにより、若者を含めたすべての人々に、心理社会的支援やサービス、専門医への照会、食糧以外の物資配布を実施することができます。

さらに、不発弾や地雷に関する危険情報を人々に伝える情報発信の場として活用されます。

日常生活を取り戻し、ストレスを和らげるために
© UNICEF HQ/2009/El Baba

当面、センターは心理社会的なピア(同年代の若者が若者たちを対象に行う)支援、レクリエーション活動、地域復興支援活動への参加を通じて、若者たちを支援していく予定です。また、センターでは専門のカウンセラーチームが若者への支援活動を行っています。カウンセラーチームは一軒一軒家を回り訪問調査を実施するとともに、家族と離れ離れになり避難所や児童養護施設で生活している子どもたちを支援しています。

ユニセフの「若者育成・参加プログラム」は、復興への参加を呼びかけることで、若者が支援の受け手としてだけでなく担い手として貢献する機会を提供しています。ユニセフの活動の恩恵を受けると同時に、若者は年少の子どもたちを支えるために自ら心理社会的、レクリエーション、家族支援活動に参加することができるのです。

「すでに社会にあるもので、慣れ親しんだものの上に、何かを作りあげていく形で、日常の生活が取り戻せたらと思います」と、サール ユニセフ・若者育成・参加プログラム担当部長は言います。