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財団法人日本ユニセフ協会




ミャンマー サイクロン被害第7報
  「今、国際社会の支援が必要なのです!」(パン国連事務総長)
最前線で活躍する日本人ユニセフ職員の報告<
 

【2008年5月13日 ニューヨーク発】

サイクロンの被害を受けた旧首都ヤンゴン市内の状況。
© UNICEF/HQ08-0364
ユニセフが配布した浄水剤を使う被災地の人々

サイクロン「ナルギス(Nargis)」による甚大な被害は、否応なくミャンマーの人々を襲っています。国連のパン・ギムン国連事務総長は、すくなくとも150万人の健康に深刻な影響がでていると訴えています。「今がヤマ場です。早急にミャンマーへの支援を拡大しなければ、今はまだ小さな規模の被害で済んでいる感染症が拡大する危険性が高まります。」(パン国連事務総長)

ユニセフは、現地の市民団体やNGOなどと協力して、物資配給などの支援活動を進めています。常駐スタッフ130名を擁する現地のユニセフ事務所が編成した緊急支援チームのうち、13日現在、4つのチームが、最大の被災地のひとつ、イラワジデルタ地帯の6管区(郡)とヤンゴンの17管区(郡)に拠点を設置し、活動を続けています。

「まるで津波に襲われたような状況」
緊急支援チームの一員として、被災各地を周り支援活動を進めている一人、ユニセフ・ミャンマー事務所の日本人医師 國井修保健・栄養事業部長は、被災地の現状を次のように伝えてきています。「まるで津波に襲われたような状況です。被災地にあった水源の殆どが海水に汚染されてしまったので、とても人が飲めるような状態ではありません。」

国連は、6万2000人から10万人の死者が発生したと推測しています。「あまりにも多くの人々の命が失われました。そして、もしこうした方々の遺体が回収されず放置されたままの状態が続くと、生き残った人々への影響も心配されます。」(國井部長)

感染症の拡大の懸念
被災地への人道支援の到着が遅れれば遅れるほど、病気や飢えで命を落とす人が増えます。

サイクロンの被害を受けた旧首都ヤンゴン市内の状況。
© UNICEF Myanmar/2008
サイクロンに襲われ瓦礫の山となった村の中を、(瓦礫で歩けない)子どもを抱えている母親。

「備蓄していた浄水剤、必須医薬品は1週間で底をついたのですが、先日(追加の)援助物資が(デンマーク・コペンハーゲンのユニセフ物資供給センターから)届き、現地で使わせて頂いているところです。現場ではミャンマー人のスタッフが大いに活躍しています。」(國井部長)

國井部長は、ヤンゴンとイラワジデルタ地帯周辺の避難所になっている学校や修道院で下痢性疾患や肺炎がすでに発生しており、このままの状況で対策が遅れれば、コレラ、マラリア、デング熱なども、避難所で蔓延すると警鐘を鳴らしています。