HOME > 世界の子どもたち > 緊急支援情報 > ニカラグア・ハリケーン緊急募金2007
財団法人日本ユニセフ協会




ニカラグアを襲ったハリケーン ユニセフ、約2億3,000万円の支援を要請

【2007年9月11日、ニカラグア発】

被害状況

© UNICEF

2007年9月4日、ハリケーン・フェリックスは、ニカラグアのサンディ・ベイ町北部に上陸し、甚大な被害を及ぼしました。90パーセントの家屋の屋根が吹き飛ばされ、停電している地域は広範囲に及んでいます。ハリケーンによって被害を受けたニカラグアの人口は、6万人から10万人に達すると推定されています。特に、ニカラグアの北大西洋自治地域の8地区の内、その半分にあたる4地区にハリケーンが直撃し、34のコミュニティが完全に破壊されました。被災地域で生活していた5歳未満の子どもは、約2万6000人に上るものと推定されています。

50のコミュニティで何千もの家屋が全半壊しました。高台やしっかりとした校舎内に仮設シェルター(避難所)が設置されました。1万3000人が避難所での生活を余儀なくされていますが、この数は、まだ急速に増えています。道路、通信、公共インフラ、農作物への被害と食糧の不足が報告されています。正確な最終の被害状況はまだ把握できていませんが、水と衛生の問題が大変深刻になっていくことが確実視されています。この地域を以前襲った緊急事態の際は、井戸があふれ、汚染されました。

緊急非常事態宣言が出され、学校は休校となりました。学校が仮設避難所として使用されている他、80%の学校がハリケーンによる深刻な被害を受けたためです。2007年度の授業を終了できるよう支援が求められています。

支援チームが川岸にあるもっとも孤立したコミュニティへたどり着きましたが、状況は当初の予測よりも悪いものでした。初期報告書によれば、村全体が完全になくなり、住民の状況に関する情報は何もありませんでした。小規模で遠隔地のコミュニティの正確な被害状況を知るにはまだ時間が必要です。

24時間以内に支援を開始

ユニセフは、保健、栄養、水と衛生、保護、教育の分野でニカラグア政府に対する支援を行っています。ユニセフは、24時間以内に1日1,600人分をまかなうことができる浄水装置4機、家族用浄水フィルター500枚、毛布3600枚の緊急支援物資を被災地に送りました。ユニセフニカラグア事務所は、衛生キット、家庭用浄水フィルターの配布を含めた浄水設備、井戸の復旧作業などの水と衛生部門のニーズに対応する緊急支援活動を行っています。また、さらなる緊急のニーズに対応できるよう準備も整えています。

今後の支援活動

第一段階として、2007年9月〜12月までは、現在避難所での生活を余儀なくされている13,000人以上の人々、および移動や通信の困難な地域に散らばって生活している最大10万人もの被災者に対して支援活動を行います。

  • 6〜24ヶ月の6,600人の乳幼児に対する補助食品の提供と、関連する家庭用品の提供
  • 下痢や感染症の予防(経口補水塩の提供、現地語による衛生教育、地域保健推進員への支援)
  • 保護者と離れ離れになった子どもの特定と家族との再会支援
  • 教育・レクリエーション活動を通じた子どもたちへの精神的な支援
  • 教材や学用品の提供などを通じた授業の再開
  • フィルターや塩素消毒剤の提供、給水設備や井戸の消毒、トイレの修復、衛生促進、水質検査

第二段階として、2008年1月〜3月まで以下のような復興支援活動を行います。

  • 孤立した地域や地元のヘルスポストのための巡回医療チームへの支援
  • 給水設備や井戸の修復、雨水貯水設備の再建、トイレの建設、家庭への水・保健・衛生・栄養教育の実施と地元組織の強化
  • 被災した学校の修復、地域の復興に配慮した学校カリキュラム作りと教育の質を高めるための教員研修

ユニセフは、今後半年間の活動資金として2,085,000米ドル(約2億3,000万円)の支援を国際社会に要請しています。皆様のあたたかいご支援をお願いいたします。

**************

◇ 自然災害緊急募金のご案内 ◇

ユニセフは、世界各地で発生している洪水や地震などの自然災害の被災者のために、緊急・復興支援活動を行っています。日本ユニセフ協会では、ユニセフが各地で実施する自然災害への緊急・復興支援活動を迅速に支援するため、自然災害緊急募金を受け付けています。皆様のご協力をお願い申し上げます。