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財団法人日本ユニセフ協会




ペルー地震:子どもたちを学校に戻すことが急務

【2007年8月30日 ペルー・ピスコ発】

© UNICEF Peru/2007/ Bonaccini
9歳のブライアンは、かつて家のあった場所に兄弟と立っています。地震後、本や学用品は無くなったといいます。

8月15日にペルーを襲った大地震の後、ペルー南部では、22万人以上の子どもが学校に通えなくなりました。地震という衝撃的な出来事の後、通常の生活を取り戻すために最も効果的な方法は、子どもたちが再び学校に通えるようにすることです。

ペルー南部沿岸の町ピスコに住む9歳のブライアン君は学校の授業を再び受けられるか不安な日々を過ごしています。「地震により学校の建物が被害を受けてしまい、今後、僕たちは路上やテントの中で勉強をすることになるかもしれない。」と不安を表しています。

ピスコの小学校に通うアズセナちゃんは学校が大好きな女の子です。仮設テントのベッドシーツ上で、一日中家族と過ごす日々に退屈しています。「私は5年生でした。友人たちを交えた小学校の卒業パーティーを楽しみにしてきましたが、今ではその計画も無理かもしれない。」と悲しんでいます。

ペルーの教育省の発表によると、プレハブの教室が被害を受けた学校の近くに建てられる予定であり、被災した1,000校近くの学校に通っていた子どもたちは勉強を再開できるようになる見込みです。地震の被害が最も大きかった3都市のみならず、ピスコにも300以上の仮設教室が建設中です。

学校の安全の確保

© UNICEF Peru/2007/ Bonaccini
アゼスナは地震後、仮設テントの中で生活しています。彼女は学校に早く戻りたがっています。

学校再開に向けた任務は、多くの分野で難問を抱えています。エンジニアや自衛官は地震被害地域のすべての学校の安全性確保のための点検が必要です。プレハブの教室が、更に100教室以上必要だと様々な報告書で指摘がされています。

この衝撃的な時期の経験の影響を考慮し、子どもと両親には心理カウンセリングが必要です。多くの人々が未だお腹がすいていて、家を失っており、今後家族が離散して生活する事態を心配しています。所持品のすべてを失ってしまった子どもたちにとっては、勉強を再開するにあたり、ユニセフから支給される教育キットを必要としています。

約1,500名の教師は被災地域から避難しています。教師自身が悲劇と対処するためにも、授業再開前に、戻ってきた教師が心理カウンセリングを受けることも重要です。

ユニセフは、UNESCOやペルー教育省、教育を専門とするNGO、地方自治体と一緒になり、子どもたちがなるべく早く学校に戻れるよう活動しています。

イカの地域教育局長のバルタザール・ランタロン氏によれば、次の重要なステップは、親を支援することです。「親に対して、子どもを再び学校に通わせ、この不安定な移行期に子どもたちをサポートすることの重要性を伝える必要があります。子どもたちは、元の学習レベルと同じところまで戻る精神的・物理的準備がまだ整っていないからです。

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