世界のともだち

スタディツアー視察報告

カンボジア  スタディツアー報告  (2011年7月24日〜31日実施)

6. コミューン評議会の役割と活動

出生登録の推進

「セッコマー・プログラム」は、コミューン評議会と協力して、活動が進められています。コミューン評議会を訪問し、活動内容などについて聞きました。Moha Sang コミューンでは、出生登録事業についての説明を受けました。カンボジアでは、親が忙しくて出生届を出せない、出生登録の重要性を理解していないなどの理由で、出生登録をしていない人が多くいます。そのほか、婚姻届、離婚届、死亡届などは使用する機会が乏しく、面倒だからという理由で届を出していない人も多くいます。また、コミューン評議会での登録手続きの徹底も十分ではありません。しかし、近年、女性と子どものためのコミューン委員会が村を回って、出生登録の意義が次第に理解されるようになってきています。ユニセフは、今後、コンポンスプー州のひとつの郡でパイロットプランを作り、登録促進を行っていきたいと考えています。

保健ボランティアによる支援

絵を使って分かりやすく伝える
保健ボランティア

Taing Krouch コミューン評議会では、コミューンが促進するトイレの普及、コミュニティ幼稚園への支援、保健センターへの支援についての説明を受けました。見学したアンドゥンスラ村では、保健ボランティアが妊婦さんに妊娠中の栄養の取り方や母乳のあげ方などについて指導している様子を見学させていただきました。

マッピングで脆弱な家庭を支援

Domnak Track 村のマップ

Dambouk Roungコミューン評議会では、ユニセフの支援で村にどのようなハンデを抱えた家族がいるか、貧困、母子家庭、父子家庭、出産届の提出有無など13の項目に基づいてマッピングが行われています。ほとんどの村は手書きでマッピングをしていますが、Domnak Track村では、パソコンで作成され、3ヶ月ごとにマップを更新しています。マッピングによって、最も脆弱な家族を見つけやすくなりました。マップの中で「貧困」に該当する家庭を訪問しました。お母さんと7歳、3歳、0歳の子どもがいて、非常に貧しい生活を送っていました。今後は、コミューン評議会が自分たちでマッピング活動を実施していくこと、住民たちが課題を克服できるような支援の仕組みが望まれます。

ツアーで訪問した家庭
マッピングで支援が必要な家庭を
早く見つけられる
村の家族が暮らす家

<< 前のページへ戻る

目次

次のページへ >>

日本ユニセフ協会