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| エジプトの首都カイロで経口ポリオ・ワクチンの投与を受ける赤ちゃん。 |
ポリオ根絶を目指して、エジプト保健人口省は幾度にもわたって予防接種キャンペーンを実施してきました。予防接種チームがエジプト全土にわたって一軒一軒の家をまわり、5歳未満児の子どもを見つけ出してひとり残らずポリオの予防接種を行ってきたのです。
努力の甲斐があって、エジプトのポリオ発生件数は1980年代の終わりまでに数えるぐらいの件数にまで減少しました。しかし完全な根絶までには至らず、その後も継続した予防接種キャンペーンが行われてきました。その実施を技術的・財政的な側面から支援してきたのが、ユニセフや世界保健機関(WHO)、ロータリー・インターナショナル、米国国際開発庁、日本政府などをはじめとするパートナー機関です。また、一般国民の間で予防接種の大切さを訴えるため、エジプト大統領夫人のスザンヌ・ムバラクさんやユニセフ中東・北アフリカ地域親善大使のマームード・カビルさん、歌手のモハメド・ムニールさんをはじめとする著名人も応援に参加しました。そして2005年から導入された最新型のポリオ・ワクチンが効を奏し、エジプトにおける最後のポリオ・ウイルスの根絶が現実のものとなったのです。
しかし、成功に安住しているわけにはいきません。イエメンやインドネシアといった国々からの経験からも明らかになっているとおり、ポリオ・フリーが宣言された国であっても、他国からふたたびポリオが持ち込まれる可能性があるからです。
エジプトでは今後も引き続き、定期予防接種活動を国家の優先事項としてとらえ、すべての子どもたちに対してポリオ・ワクチンの投与を続けていく予定です。