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財団法人日本ユニセフ協会

ライブラリー プレスリリース

スーダンをポリオ・フリーにする新しい予防接種活動

【2009年2月12日 ハルツーム発】

スーダンのポリオ撲滅を目指し、新たな活動—2009年最初の全国予防接種キャンペーンーが実施され、900万人の子どもたちが来週早々に接種を受けることになっている。

2008年、スーダンでは26件のポリオが報告された(2006年は0件)。スーダンの農村部ではインフラが限られ、頻繁に人口移動があるため、国境を越えてポリオ感染が広がる。保健関連機関は、身体に障害をもたらすこのウィルスを一掃しようと新しい活動を始めた。

ユニセフ・スーダン事務所のイヤボーデ・オルサンミ臨時代表は次のように述べた。「最近になって感染が報告されたが、政府や州の保健局、地域社会、パートナ機関・団体は、依然としてスーダンを‘ポリオ・フリー’にするという強い意欲を持ち続けている。今後数日でスーダン北部の600万人余りとスーダン南部の約300万人の子どもたちがポリオ・ワクチンの接種を受けることになっており、その意欲がきわめて強いことが示されるだろう。」

WHOポリオ撲滅担当官のアフメッド・ハーダン博士はこう述べた。「現在の大きな課題は、スーダン南部にあるポリオ野性株の拡大を阻止し、スーダン国内の他の地域にウィルスが持ち込まれないようにすることだ。野生株のポリオ・ウィルスを撲滅する戦略として、これらの活動とともに定期的な予防接種プログラムを強化し、質の高い調査を実施する。」

予防接種は国民統一政府とスーダン南部政府の協力により、全国予防接種デーの3日間で実施される。5歳未満児のすべての子どもが予防接種を受けられるよう、地域社会では何千人という予防接種担当者が戸別訪問を行なう。昨年の予防接種デーでは、スーダン全土の子ども900万人あまりが予防接種を受けた。

予防接種担当者38,000人は、正式に予防接種デーの開始が宣言される2月16日(月)から、スーダン北部で今年初めての予防接種を実施する。最近になって報告されたケースのいくつかは近隣諸国から持ち込まれたものであり、国境管理の不備と人口移動がその原因である。

ひとつの場所から他の場所へとウィルスが移動するリスクを減らすため、国境をはさんだ複数の国が同時に予防接種デーを実施するという活動も増えてきている。来週には同じく3日間にわたる予防接種デーが、スーダン南部の各州でも実施される予定である。

オルサンミ臨時代表はこう述べた。「スーダンでポリオに取り組むためには、関連諸機関や関連各国の間での真の協力が必要だ。ここスーダンで、ユニセフは政府やWHOと緊密に協力し、予防接種デーの資金や技術的支援を提供している。またカナダ、ドイツ、オランダ、ノルウェー、日本、イギリス、アメリカの各国政府、国際ロータリー、ビル&メリンダ・ゲイツ財団などのドナーは、ワクチンの入手や予防接種担当チームの研修に欠かせない資金を提供してくれた。」

過去2年間にスーダンで新たにポリオが報告された理由については明らかでない。専門家は、2005年に包括的平和協定が結ばれた後は監視や調査制度が改善されたため、以前はわからなかったケースが見つかるようになったのかもしれないと述べている。

注目されていることは、全国予防接種デーだけでなく定期的な予防接種活動によってもワクチン接種率を改善することである。昨年、スーダンは地域社会レベルで女性と子どもへの総合的保健サービスを強化する新しいアプローチの一環として、地域の保健ケアの研修を実施するとともに、簡単でコスト効率の良い保健サービス「子どもの生存イニシアティブ」を開始した。

WHOは計画作成やマネジメント、研修、社会的動員、報告、監督、監視、ワクチン調達、コールド・チェーン設備のメンテナンスなどの諸活動に協力することで、スーダン全国予防接種拡大プログラムの支援を継続することにしている。

オルサンミ博士はこう述べた。「予防接種キャンペーンと定期的な子どもの保健ケアの強化を推進することで、我々はポリオのような病気を阻止し、子どもの死亡率を大きく減少させることができる。スーダンからポリオだけでなく幼い命を脅かすあらゆる予防可能な病気をなくすことができるまで、我々はこれらの活動を辛抱強く継続する。」

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